カンタベリー 子どもたちに明かしたラグビー日本代表ジャージの開発ストーリー ジャージーに詰まったファンの想いと”サステナブル”
ファンの詰まった思い出が日本代表ジャージーへ
ジャージーの開発プロセスは、全国のラグビーファンの方々からリサイクルとして供給していただいたウエアを原料化し、選手の着用する新ジャージーとして再生するというもの。
まずは原料となるポリエステルウエアを供給いただくところから開始した。
2023日本代表ジャージーの製作プロセス(資料提供:ゴールドウイン)
そのタイミングは昨年の7月9日に行われた、国立競技場での日本代表-フランス代表戦とカンタベリー直営店でファンの方々から回収を行い、計1266枚のウエアが集まった。
ファンにヒアリングすると、それは単純に不要になった古着ではなく思い出の詰まったウエアがほとんどで、今回の日本代表に向けた想いを感じたのだという。
集まったウエアをケミカルリサイクルで原料にし、糸・生地へと再生。
今回のケミカルリサイクルの原料はばらつきがあり、安定して作る事が非常に難しく、特に糸の強度を保つための調整が困難を極めたのだという。
これらのハードルを原料開発~紡糸~ニッティング工場の協業会社が一つになり、何度も試験を繰り返してハードルを越えることができた。
まさにファンの方々や製作した方々の想いが織り込まれたウエアを身に選手が世界に挑むという、心動かされるストーリーが出来上がった。
カンタベリーは当然ながら、開発して終わりという考えは持っていない。
求められるのは、「選手のパフォーマンスを上げ、勝利に貢献すること」であることを強く理解している。ラグビーで多く行われる激しいコンタクト、そしてスピードの両方が必要な競技である。
それぞれのプレーに耐えられる耐久性とともに、選手のパフォーマンスを最大化するための軽量性や吸汗速乾性などの快適性も求められる。ただ、耐久性とは相反するものとなるため、この両立を極限まで追求していくのがカンタベリーのミッションであるとし、講義を締めた。
この間、子どもたちは配布されたワークシートにそれぞれ学んだことや気づいたことを記入、イベントの最後には、それぞれが考える「サステナブルな日本代表ジャージー」のデザインを描いた。
トークセッションでは元日本代表 木津武士さんが登場