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「自分の価値観にある当たり前をどんどん壊していきたい」久保康友 今後も野球を通じて海外を渡り歩くその想いとは?〜海外リーグ編②〜

3月からドイツ・野球ブンデスリーガの「ハンブルク・スティーラーズ」でプレーする久保康友投手。

昨シーズンはさわかみ関西独立リーグの「兵庫ブレイバーズ」でプレーし、若い選手とともに汗を流してきた。そのシーズン終盤に久保投手へ特別インタビューを実施し、日本の独立リーグを訊くとともにこれまでの軌跡についても伺った。

第3回では18年から挑戦した海外挑戦のきっかけなどについて特集した。連載もついに最終回。野球における文化の違い、そして今も挑戦し続ける源について語っていただいた。

>独立リーグ前編はこちら

(取材協力:兵庫ブレイバーズ 文:白石怜平 ※以降、敬称略)

2年目は前年実現できなかったメキシコへ

久保は18年にアメリカの独立リーグでプレーし、19年からはメキシカンリーグのレオン・ブラボーズへ移籍した。元々もうひとつ興味のあった国のメキシコでプレーできた。

「アメリカとNPBの実績があったのと、メキシコってよく変わるそうなのですが、オーナー企業がちょうど変わったタイミングだったそうで、オファーがあったので半信半疑ぐらいで了解しました(笑)。今年も行けないかもと思っていましたが、今度は航空券が送られてきたので行くことができましたね」

実は久保が入団したレオン・ブラボーズは前年に契約したチームだったという。オーナー企業が変わっていたため後から気づいたが、今回は無事に現地へと渡ることができた。

しかし、メキシコでの生活もまた驚きの連続だった。手配されるはずだった住居の手配が遅延したり、労働ビザも申請のみで取得まで至らずさらには給与も支払日にはほとんど払われなかった。通訳が渡されたお札に偽札が含まれていたという。

そんな中でも久保は投げ続けた。19年は26試合に登板し、8勝14敗・防御率5.98の成績だった。154奪三振でリーグの最多奪三振王に輝き、この年のオールスターにも選出された。

メキシコでは前年の契約時に続きハプニングの連続だった

メキシコでのプレーはこの1シーズンのみだった。翌20年1月にブラボーズを退団すると、以降も海外でのプレーを模索していた矢先、新型コロナウイルスが世界中で感染拡大が始まった。そのため一度日本に帰国した。

海外で生活する中で文化の違いを体感した。では、グラウンドの中における違いはどう感じたのか。

「外国の面白いところは実力がなければすぐクビになることです。日本みたく1年間契約しているからその間は在籍できるというのはないんです。メキシコだと下手すれば1試合でクビになる選手もいます。

1試合で何がわかるのかなって思ったりもしますが、やはり現地の人が見た印象で判断を下している。僕も”外国人”でしたが、チームは4番とエースを求めている。

そうなるとチームでそこそこではダメで、トップクラスと認められるようないいボールを投げたり、バッティングをしないと残してもらえないですね。そういう意味では自分も外国人扱いなんだなっていうふうに気付かされましたね」 

「あとは振る舞い方です」現地での安全を守るには?

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