「今週末に届くチケットが来なくて2ヶ月が…」久保康友 海外挑戦で経験した各国の文化 〜海外リーグ編①〜
「自分は考えが凝り固まっていた」自身の価値観にも変化が
久保はプロとして成績を残すために、練習法から投げ方まで全て自ら考え・工夫を凝らしてきた。細部まで考え抜かれた思考や投球術などで”投げる哲学者”と称されている。
首脳陣にも意見を明確に述べるなど、周囲に流されることなく己のやり方を実践してきた。そんな久保でも海外でプレーすることで自分に対する気づきも得られた。
「今までルールに縛られないように生きてきたと思いましたが、まだその外側の枠があるんだなと(笑)。自分ってすごい考え方が凝り固まっているんだなとアメリカに行ってもメキシコに行っても感じました。それが海外での気づきの1つですね」
久保が海外に最初に行ったきっかけは、行った選手の性格が変わって帰ってきていたことであった。その点も訊ねると前の発言を踏まえてこう答えた。
「”こうしないといけない”って自分の枠・ルールってあると思うのですが、自分もそれはありました。特にNPBというトップレベルの厳しいところでやっていた時は自分に対しても人に対しても見方が厳しくなるんです。それも無意識に。自分もそれが当たり前の環境で育ってきましたし。
それが全く違うルールでプレーすると、がんじがらめになっている自分にやっと気づきました。自分の中のルールを自分に適用するのはいいのですが、それを人に対しても当てたりというのは違うんだなというのは改めて感じました。
例えば自分が相手に対して怒るというのは、自分の価値観を相手に押し付けたり、自分の枠にとどまっているからなんだなと。その考えが今まで理解できてなかったっていうのが、僕は海外に行って気づきましたね」
異国の文化に触れることで新たな自分と出会った。野球においても、文化の違いや選手への想いなどまた異なるものであり、新鮮だったのだという。
(つづく)
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