兵庫ブレイバーズ 久保康友 グラウンドで感じた独立リーグの課題とNPBを目指す選手たちへ伝え続ける想いとは？

「良い選手を常に見る環境にしてあげたい」

久保はブレイバーズの選手であることに加え、関西独立リーグ選抜の一員として、リーグ内の他チームの選手とも共にプレーをしている。リーグ全体として見れる立場でもある中で、もう一つ感じた重大な課題もあるという。

「ここのリーグに入ってきて思ったのが、IPBL(※)に所属していないのが理由で、練習試合が近くの大学生や社会人と練習試合ができないんです」

IPBLとは、「日本独立リーグ野球機構」のことで、四国アイランドリーグPlus、ルートインBCリーグ、九州アジアリーグ、北海道フロンティアリーグの4リーグが加盟している。

さわかみ関西独立リーグや、久保がレンタル移籍先としてプレーした北海道ベースボールリーグは加盟しておらず、ほぼ同一リーグのみでしか試合ができない。久保はさらに続ける。

「実はそれが1番の問題で、選手というのはプロで注目されている選手やドラフト候補の大学・社会人選手と対戦できると良い刺激を受けられるんですよ。でも、ここでは試合の相手がほぼ同じリーグの中だけ。その刺激の対象が初めから限られるというのはかわいそうだなぁと僕自身思っていて、その壁を取り除いてあげたい想いがあります」

関西独立リーグ選抜などで、NPBのチームと交流戦がシーズンの中で行われている。しかし、相手はNPBと言えども育成選手が中心。久保の語る”刺激”を受ける機会が多いと言えないのが現状である。

「目の前に良い選手・有望な選手がいたりすると意識って常に高く保つことができるんです。ただ、そういった選手と対戦する機会がどうしても限られてしまう中で、年間を通して高い意識をキープできればいいですが、NPBにいた身ですら難しいと感じますよ。

イメージだけで『今年1年でNPBに行くぞ！』って思いながらやるのは。目の前で良いプレーが常に見られると言う状態にしておかないといけないんです」

このような環境で、久保の存在は独立リーグの中でまさに刺激となる存在。NPBを目標にする選手はこのチャンスを逃さぬべく、多くが久保の元へと尋ねてくる。

「僕とかいると喜んでもらえますが、もっと若い良いプレイヤーを見ることができれば、技術的に自分がどこが足りてないかっていうのがわかると思います。”あれがプロ注目の選手なのか”などと知った方が、目標にもなると思うので必要なことだと考えています」

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