G.G.佐藤”1日契約”で8年ぶりの現役復帰!「今日はみなさんをファンタジーの世界へお連れします」〜引退試合ドキュメント前編〜
4月29日、BCリーグ公式戦「埼玉武蔵ヒートベアーズ vs 神奈川フューチャードリームス」の試合が行われた。
この試合ではかつて西武・ロッテで活躍したG.G.佐藤が埼玉の選手として”現役復帰”。3安打を放ち、最後の勇姿をファンの前で見せた。今回は”G.G.佐藤引退試合”と銘打たれた1日に迫った。
(取材協力:埼玉武蔵ヒートベアーズ、写真 / 文:白石怜平、以降一部除き敬称略)
8年越しの引退試合が実現
会場となったのは、G.G.佐藤の地元である千葉県(市川市出身)の浦安市運動公園野球場。同県でBCリーグの公式戦が行われるのは史上初である。
この日”1日契約”を結び、2014年の引退以来8年ぶりにユニフォームへ袖を通したG.G.佐藤。
03年秋に入団テストを経て西武にドラフト7巡目で入団以降、オールスター出場(08年、セ・パ通じて最多得票数)や北京五輪日本代表に選ばれるなど活躍。
しかし、14年にロッテから戦力外通告を受け引退を決断して以降はセレモニーなどが行われることはなかった。
今回、8年を経て引退試合がどのようにして行われることになったのか。これは13年・14年の2年間、ロッテで共にチームメイトだった埼玉の角晃多監督との繋がりで実現したものである。
角監督へ今回の経緯を尋ねた。
「まず、多岐にわたりBCリーグを広めたいという想いがあります。G.G.佐藤さんには昨年我々の始球式に来ていただきまして、そこから『来年も何かしよう』と話し合いをしていました。そんな中で、(現在BCリーグの球団がない)千葉県でBCリーグを知ってもらえる機会をつくりたいということで今回ご尽力いただきました」
この試合は、G.G.佐藤が取締役副社長を務める住宅測量・地盤改良会社の「株式会社トラバース」(市川市)が冠スポンサーを務め、試合そして運営の両面で県内初の公式戦開催を盛り上げた。
また、球団のオーナーを務める山崎寿樹オーナーから、「1日契約というのはどうか」という意見を監督と交わしていた。リーグとも調整を重ね、今回ついに開催へと至った。
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