ユニバーサル野球 in北海道開催「ES CON FIELD HOKKAIDO」型のリアル野球盤で子どもたちが”ホームラン”「ひとを応援する大切さ、ひとから応援される喜びを感じてほしい」
運動が得意ではない子でもホームランが打てる
ルール説明などを終えるといよいよユニバーサル野球がプレーボール。打席に向かう際、ウグイス嬢が打者の名前と事前にヒアリングした一人一人の”素敵なところ”も交えてコールした。
声の主は赤荻福枝さん。北海道日本ハムファイターズに加えて千葉ロッテマリーンズのファームの試合や、アマチュア野球で場内アナウンスをしている現役ウグイス嬢である。
赤荻さんは19年のプレオープン会から担当しており、今回も東京から駆けつけ、4会場でアナウンスを担当した。
中村さんは「ウグイス嬢のコールにこそ意味がある」と考えている。その意図を語った。
「高校球児だった時、試合の中でどこで自分にスイッチが入ったかと考えた時、場内アナウンスで名前を呼ばれて打席に向かう時だったんです。普段味わえない体感ができますし、スポーツの原点だと思うんです」
打席に入った子どもたちは早くも盛り上がりを見せた。最初の打席ではなかなかヒットゾーンへ運べず悔しい表情を見せることも多かったが、チームに戻ると中村さんからの話の通り「ドンマイ」とチーム間でタッチして出迎えた。
2巡目以降は”ホームラン”を打った子が続々と現れ、体育館中に歓声が広がった。結果に一喜一憂し、ヒットを打った際には両手を挙げてみんなでハイタッチを交わす。
今回のテーマの通り、チームで囲んで喜び合う光景を何度も見ることができた。
熱を帯びてくると味方や相手チーム関係なく、途中からは全員立ち上がり、飛び跳ね手を叩きながら打席に立つ子に大きな声援を送った。
そしてユニバーサル野球の魅力は”誰もが楽しめる”こと。野球経験がない子でもホームランを打つと歓声を一身に浴び、試合のヒーローになったのだ。
各回の試合終了後に子どもたちや先生がそれぞれマイクを握り振り返った。
「運動が得意じゃない人でもホームラン打てたので、本当にすごい野球だと思いました」
「私は普段スポーツはやっていないですが、ヒットを打ってみんながハイタッチしてくれました」
運動の得意不得意や性別に関係なく、スポーツで活躍できた証が残ったことが最も印象的だった。
担任の先生たちも試合に参加した。子どもたちが喜ぶ様子などを思い出しながら、
「相手そして自分たちのチームでも一生懸命やっている姿を讃えていたのがすごく素敵でした。ホームランを打ったときにハイタッチを真っ先に求めに行ったのは相手チームの女の子でした。
ドンマイって進んでやってくれていたし、そういう姿勢がすごく大事だと思うのでこれからの生活に活かしていきましょう」
と呼びかけた。
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