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「試行錯誤や遠回りすることも将来への経験」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(後編)

森林氏からの”お願い”とは?

次の話題は指導者について。主に少年野球チームでは、保護者の方がコーチを兼任するケースが多々ある。そこでは指導に熱が入るがために、時には過剰な指導になる事例もある。そういった点を踏まえ、森林氏は理解してほしいことを投げかけた。

「保護者の方々は、”正しい投げ方は何か”などと早く正解を求めてしまうことがあります。試行錯誤したり、遠回りすることも将来への経験になるので、あまり先回りしないで子どもたちを見守っていただきたいです。大人・保護者がお膳立てしすぎないようにするべきです」

ここで、自身が携わる教育の現場での例を挙げて補足する。

「例えばですが、縄跳びや水泳にノルマがあります。そうすると縄跳びがあるから習わせる、水泳があるからスクールに通わせる。子どもたちが行きたいわけではないけれども保護者の方が、『一人だけできないとかわいそうだから』と。

ただ、できないところから『どうやってできるようになるか』『少しでもできるようになった』といった経験をさせてあげたいので、あまり先周りしてほしくないと思います」

”遠回り”も一つのプロセスと語る森林氏

森林氏は、指導する中で常に念頭に置いているのは”生徒たちの将来”。目先の結果や出来事に捉われず、この先に向けて大事な経験になるかどうかを重視している。自戒を込めて今後の展望を語った。

「今の子どもたちが社会に出る時には今以上に正解がない。それぞれが自分の正解を見つけていくような時代になるので、一つの正解を早く出した人が勝ちというのは根本的に今後通用しなくなります。自分も忘れないように気をつけていきたいです」

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