「試行錯誤や遠回りすることも将来への経験」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(後編)
スポーツの経験が社会で役立つ
セッションも終盤になり、次の話題は社会におけるスポーツのあり方について。
スポーツ選手、また関連で仕事として希望する人が叶うのはごく少数。多くの人がビジネスパーソンとして社会に出ることになる。
これを踏まえ、中村氏は「社会で生き抜くために必要なことは、スポーツでも培っているはずです。ただ、『理不尽なことに耐えられる力がついた』という発言が多いイメージがあります。でも本当にスポーツマンシップで伝えたいことはもっと高いレベルの話です」
と、スポーツの経験が社会でもっと発揮できるのではないかと課題感を抱いている。ビジネスパーソンでも汎用性があることについて森林氏に意見を求めた。
「スポーツをやってきた人に対する世の中の評価が変わりつつある。これまでは『体力あるよね』・『礼儀正しいよね』などが挙げられていました。それでは今の世の中では適応できないです。
数字では表れない非認知能力、”折れない心”・”やり抜く力”というのは、スポーツの現場で体感的に育っていると自負しています。
世の中にその価値を広げていかないとスポーツの価値を認めてもらえない。数字で現れるものだけでは評価できないと思います。非認知能力がスポーツで伸ばせていることを証明していきたい」
と話し、今後さらに発信したいと想いを語った。