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「試行錯誤や遠回りすることも将来への経験」現役監督と語る”高校野球の未来とスポーツマンシップ”(後編)

リーグ戦「LIGA Agresiva」への手応え

そして、セッションの最後はスポーツ界の未来について。前章でも少し触れたが、高校野球界でもリーグ戦導入の動きが広まりつつある。

実際に昨年は、「LIGA Agresiva」という高校野球におけるリーグ戦が開始された。『選手たちの未来にフォーカスする』ことをコンセプトに全国14都府県・約90の高校が参加しており、慶應義塾高校もその1校に名を連ねている。

中村氏は、行ってみての手応えや課題などを森林氏に聞いてみた。

「昨年秋に実施しましたが、コロナ禍というのもありまだ一部というのが現状です。ただ、一発勝負のトーナメント制とは異なり、負けて終わりではないので選手も指導者もトライしやすい。成功失敗に関係なく次に活かせるいい循環が作れています」

LIGA Agresivaの参加選手には、協会の主催するスポーツマンシップ研修を受けている。中村氏は「リーグ戦を戦うライバルの高校生たちが、同じ話を聴いてリーグ戦を戦う機運がつくられているのはいいことだと率直に思う」と研修を提供する側としての感想を述べた。

森林氏も試合におけるトライ&エラー以外にも、メリットがあると語る。

「もう一つは、対戦する中で一緒に高校野球をやった仲間であると心から感じられることです。試合をやっただけではなく、リーグ戦の仲間と一緒にセミナーを受けたり試合後に話し合いながら、同じ野球を愛する仲間として意識も強まってくる。多角的な効用を感じながら今年さらに進めたいと思います」

約1時間のトークセッションは盛り上がりを見せた

1時間にわたるセッションは盛り上がりの中、第1部が終了。最後に森林氏の今年の抱負を聞いて締めた。

「今挑戦しようとしているリーグ戦や講演、執筆活動を通じて、さらに世の中に伝えていく年にしたい。今年は『世のため人のために野球をします』と年賀状に書きました。

もちろん自分のチームも勝たせてあげたい。だけどもそこに終始しないで、世の中にどう貢献するか。野球界・スポーツ界、さらには日本社会をいい方向に向ける気概を持って過ごしていきたいです」

そして、第2部。現役メジャーリーガーの筒香嘉智選手がスペシャルゲストとして登場する。

(つづく)

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