「働くフィールドは無限大にあります」eat Link代表・牧春菜さん 管理栄養士の価値と抱く夢

管理栄養士は”生活全般の主治医”

アスリートと食育の2軸で活動する牧さん。管理栄養士の仕事とはどのようなものかを聞くとこう答えた。

「管理栄養士は”食事を作る人”と思われがちなのですが、私は相談にきた人に寄り添った食事の提案だけでなく、日常生活の指導もできる人と考えています。生活全般の主治医さんというイメージです」

食事のみならず、運動・睡眠面のアドバイスもする。相談に来てくれる選手たちと向き合うにおいて大事にしている考えを語った。

「選手も家族と思っていますし、1人1人に寄り添う指導を心がけています。食事の提案だけですと自分からの一方通行になってしまいます。今はサプリメントの種類が増えたり、ファスティングなど様々な方法があります。個々の考え方に合わせないと信頼は得られないですし、選手の状態を把握して足りない部分を補うことを大切にしています」

選手たちは”家族”。一人一人と向き合っている(本人提供)

牧さんはスポーツ関連の管理栄養士として開始した当初、チームのサポートのみ行なっていた。高校野球のチームに向けて講義などを行なっていたが、ある課題があったという。

「選手個々に落とし込めていないことが課題と感じていました。やはり選手個人のパフォーマンスが上がらないとチームは変わらない。ということで、個人サポートを導入しました。そこから選手の変化を感じ仕事の幅も広がっていきました」

体重の管理や個別相談の機会を増やすなど、eat Link設立後さらに環境を整備した。今も毎日選手全員に食事の写真を送るように依頼し、フィードバックをするなどコミュニケーションは欠かさない。

このような活動を積み重ね、確かな結果を出していった。

「選手が目標・記録を更新したり、その達成報告をしてもらった時が一番やりがいを感じます。選手がアドバイスを実践してくれて、感謝の言葉を贈ってくれた時は涙が出ることが何度もあります。母親のような気分ですよ。選手がメインで私は裏方でいいのです。選手の笑顔が見れた時が何より嬉しいですね」

とやりがいを語ってくれた。

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