「小笠原道大杯」開幕!17回目のスタートは小笠原さんから直接のメッセージ「自分の技術向上、そして優勝に向かってみんなと協力して良い試合を」
11月5日、千葉県・市川市の妙典少年野球場で「第17回 小笠原道大杯争奪 市川市少年野球大会」(以下、小笠原杯)の開会式が開催された。
大会へ参加する全34チームが集結。小笠原道大さんも会場に駆けつけ、これから熱戦を繰り広げる選手たちに向けて激励のメッセージを贈った。
(取材協力:市川市少年野球連盟、写真 / 文:白石怜平)
17年目を迎えた小笠原さんの社会貢献活動
小笠原杯は市内の少年野球チームの頂点を競う大会で、小学5年生以下の選手を対象としている。
大会が始まったのは小笠原さんが現役時代から。巨人移籍1年目にして史上2人目の両リーグMVPに輝いた2007年に第1回が開催され、15年に現役を引退後も継続。今年で17回目を迎えた。(※20年はコロナ禍による影響で開催なし)
千葉県出身で同市に居を構える小笠原さんは、野球を通じたスポーツや地域の発展への願いを込め、自身の名を冠した大会を開始した。少年野球以外にも、11年より身体障害者野球チーム「千葉ドリームスター」を立ち上げ、チームも毎年全国大会へ出場するなど成長を遂げている。
今年バンテリンドーム ナゴヤで開催された「第5回世界身体障害者野球大会」で世界一連覇を果たした日本代表。ドリームスターからは土屋来夢選手が選出され世界一に貢献するなど、小笠原さんの社会貢献活動は15年以上に亘り脈々と続いている。
開会式には大会に出場する34のチーム、そして田中甲・市川市長や市川市議会議員の面々をはじめ20名以上の来賓の方々、そして今回は小笠原さんもこの大会を盛り上げるために多忙の合間を縫い姿を見せた。
開会式は8時半に開始。地元妙典のチアダンスアカデミー「Shining☆Ships」が昨年に続きオープニングを飾った。小笠原さんの現役時代のユニフォームを着てパフォーマンスするなど、開幕を華々しく彩った。
小笠原さんも登壇し、熱いメッセージを送る
主催者・来賓を代表してそれぞれ市川市少年野球連盟の中嶋貞行会長がまず壇の前に立った。この春、日本列島を熱気と感動に包んだワールド・ベースボール・クラシック(WBC)についても触れながら感謝とエールを贈った。
「17回目の大会でございますが、小笠原さんを始めたくさんの来賓の皆さんと一緒に開会式を迎えられたこと、本当に嬉しく思います。小笠原さんが選手時代のいろんな活躍、今年はテレビでも見る機会があったと思います。3月にWBCで日本が世界一になりました。
WBCが始まった最初の1回目と2回目、小笠原さんは選手として活躍し、日本のクリーンアップを打った選手です。生涯打率も歴代トップ10に入る選手です。
それと同時に日本で37チームある身体障害者野球チームのオーナーでもあり、地域の様々な活動にご支援をいただいているところでございます。
ぜひ皆さんも野球が上手くなることも一つですが、社会に貢献できるような人になってもらうこともこの大会の目的だと思います。今年最後の、そして来年のスタートの大会でもあります。自分で考えてプレーし、仲間と一緒に協力して上手くなってもらえることを期待しています」
続いて、市川市の田中甲市長もマイクの前に立った。
「ここに大会が開催されますことを嬉しく思います。小笠原さんもいらして下さいました。嬉しいですね。
私から選手の皆さんへのメッセージとして、これから辛いことがたくさんあると思います。野球だけではなく、生活している中で辛いこと・悔しいこともあると思いますが、それに負けないでチャンスだと思って立ち向かってください。
辛いことを乗り越えた時に、皆さんはさらに大きく成長する事は間違いないです。心も体もこの野球を通じて、もっともっと大きくなってもらいたいと思っています。
皆さんが健康でさらにこの地域が発展していくために、子どもたちの成長とともに、一緒に見守っていきたいと思います」
そして、最後に小笠原さんが壇上に。一際大きな拍手と注目を浴びながらメッセージを送った。現役時代から大切にしてきた”感謝”の想いが溢れ出ていた。
「まず大会が今年開催できること、市長を始め皆様が協力してくれたからこそだと思います。本当にありがとうございます。
そして、ダンスパフォーマンス、最高でした。この大会にパワーを注入してくれました。いいスタートが切れると思います。
そして選手の皆さん、今日から始まります。まず怪我に気をつけて自分の技術向上、そして優勝に向かってみんなと協力して良い試合をしてください。また閉会式に会えるように皆頑張ってください。ありがとうございました」
そして最後は選手宣誓。南行徳少年野球クラブの遠藤晴選手が代表して宣言を行った。
「野球を通じて支えてくれた監督、コーチ、家族関係者の方々へ感謝を込め、最後まであきらめず仲間を信じて全力でプレーすることを誓います」
会場全体が大きな拍手で包み、開会式は終了した。
「来年は新しい発見のある1年にしたい」
最後に、小笠原さんが開会式を終えての思いを語った。
「ダンスパフォーマンスもですし、最初に比べると大会も大きくなってきた。熱気というものが伝わってきて、市川市の少年野球連盟の気持ちが強く伝わってくる開会式だったと思うので、非常に良い時間だったと思います」
上述の通り、本大会は17回目を数える。選手時代からの代名詞とも言える”継続”。これは社会貢献活動においても変わらない。
「1人の力だけではできないので、連盟の方々を始めとしてご尽力いただいてきた過程がこの結果と思ってますので、何とか1年でも長く続けてやってきたいですね」
小笠原さんも来シーズンはこれまでと違うステージから野球を見る機会になる。今後の挑戦について語って締めた。
「自分探しの旅ではないですけれども、新しい発見のある1年にしたいなと。ユニフォームを着ていたら分からなかったこともあるでしょうし、一つ一つ勉強していい経験にしたいと思います」
この後、早速第一試合の菅野ポールスターズと本塩こども会野球部との試合がプレーボールとなり大会の幕が開けた。優勝旗をかけて、12月10日まで熱戦が市内で繰り広げられている。
(おわり)
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