「第31回全国身体障害者野球大会」岡山桃太郎が初V!日本代表選手の活躍などで圧勝 秋には”年間無敗”の挑戦へ

秋の大会4連覇、そして年間無敗へ

試合後は天候とグラウンドコンディションを考慮して表彰式が行われた。

大会MVPは準決勝で本塁打を放つなど4番として打線を牽引した岡山の浅野、優秀選手賞には京都の稲が選ばれた。

大会MVPを獲得した浅野

谷藤監督は初めて春の大会を制したことに触れ、

「春ずっと優勝できていなかったので、今年こそはと言うつもりで臨みました。凄くうれしいです」と満面の笑みを交えて答えた。

春で優勝に届かなかった原因については、冬を越えた時の打撃の調子が上がりきらない点と分析していた谷藤監督。今大会は4勝のうち3勝が2桁得点をマークしており、その課題を克服した。

また、秋とは違う収穫もあったと谷藤監督は明かしてくれた。

「決勝戦の試合で、ベンチ入り選手全員が出場できた。決勝の舞台をみんなが踏んで優勝できたのは、昨年の秋にできなかったことなので、喜びがより増しています」

11月の大会では、4連覇がかかっている。年間制覇への挑戦権も獲得し、今後に向けてこう語った。

「初めて春を優勝できて、”年間無敗”にチャレンジできるのは初めてなので、秋も勝ち獲れるよう練習していきます」

そして準優勝の京都。稲が今回の大会を振り返った。

「決勝に行けたのは、久しぶりに思いっきり野球ができる喜びを噛み締めながらできたことが結果につながったと思います。決勝の相手岡山さんにも全力プレーで臨みましたが、力及ばずでした。でも最後に意地の1点を取れた。悔しかったですが、楽しくやれたので良かったです」

主将としてチームを牽引し優秀選手賞に輝いた稲(写真左)

稲が常に発していたのは”楽しむ”というフレーズだった。プラス思考で楽しむ気持ちを持ち続けたことがチームに勢いをもたらした。また、自身も日本のエース早嶋から1点を奪う適時打を放つ活躍を見せた。

「このままで終わりたくないと思い食らいつきました。僕もこの2日間調子が良かったので、絶対打てるという気持ちで打席に立ちましたし、1点だけは絶対に奪おうと。日本のエースから打てたので今後につながると思います」

大会を終え連盟の山内啓一郎理事長は、

「雨天で大会の実施が危ぶまれましたが、試合時間や会場変更を行い、多くの方の協力で大会を終えることができたことを嬉しく思います。また日本代表選手の活躍も見られ9月の世界大会が楽しみです」

9月に「JAPAN」の監督として世界一を目指す(1月撮影)

と安堵の表情を見せた。山内理事長はWDBでは日本代表監督という大役を担っている。春の大会を弾みに、4度目の世界一へと挑戦する。

(おわり)

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