ミズノが睡眠市場へ本格参入「MIZUNO SLEEP」スポーツを通じて培った独自のテクノロジーとノウハウ活用で実現したい世界とは?

睡眠中も動く身体をサポート

続いて、各アイテムについて伊藤氏から紹介された。以前より掛けふとんはリリースしており、今回のキープロダクトとしては前述で軸としたマットレスと枕、敷きパッドの3点について紹介。

マットレスでは睡眠中の動きと姿勢に注目し、睡眠中も動き続ける身体をサポートするという発想を基に技術を応用した。

「硬すぎると圧力が局所に集中してしまうので、腰が痛くなったり、寝返りする際も痛みを繰り返してしまうことがあります。一方、柔らかすぎる寝具は寝心地はいいと感じるかもしれないですが、寝返りの際に力が入ってしまうので、結局腰が痛くなることに繋がってしまいます」(伊藤氏)

これらを解決するためのマットレスとして特徴を3点挙げた。

1つ目が身体の各部位に合わせた6つのゾーンスリープユニット。各部位でそれぞれ特別な形状を持ち、寝返りした際も腰に沿うような形状となっている。これによりオーダーメイド感覚のフィット感を創出している。

6つのゾーンイメージ(提供:ミズノ株式会社)

2点目が3層構造となっている点。通気性に優れたミズノの高反発網状素材「リフル」を採用している。

「リフルという名前(Refull)ですが、”再びフルに戻る”という意図が込められています」(伊藤氏)

このリフルが寝返りを打つ身体をアシストしている。「フィット層」「リレー層」「サポート層」の3層の構造となっており、高反発ながらも包み込むようなフィット感を実現することで寝心地のよさと寝返りのしやすさを両立している。

上層部と下層部(提供:ミズノ株式会社)

フィット層の繊維を糸の形状にすることで柔らかい素材となっており、サポート層の繊維をチューブ状に成形し硬くしている。これにより、腰のような重い部分も沈み込まずに下から支えることができるという。

リフルはこの構造により優れた体圧分散を可能にしている。筋電のデータを蓄積させており、伊藤さんは「通常のマットレスよりも20%軽い力で寝返りができます」と紹介した。

そして3つ目の特徴は年間通じて快適さを保てる点。春夏用としてメッシュ素材・秋冬は中綿キルト素材を活用し、これらが1枚のリバーシブルカバーとなっている。季節ごとに表裏にすることで、負担なく使い分けることができる。

枕においても安定感とフィット感を両立させている。

「中心部にスリープポケットというくぼみ設けています。仰向けになった際フィット感を高めるものになっています。横向きでも頭を支えるフィット感になっていますので、快適に寝返りを打つことができます」

伊藤さんは、リフルの特徴についてさらに解説を加えた。

「熱に強い素材で、8万回の圧縮テストをクリアし、JIS規格の最高評価を獲得しています。非常に通気性が良く、湿度を35%抑制し、温度も1度上昇抑制することができています」

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