西武・メットライフドームエリア改修工事で創り出す「ライオンズだからこそできるボールパーク」

最も意識した「動線」

外周の他に具体的にどんな改修を行ってきたのか。

服部広報は資料を出しながら、一つ一つ丁寧に説明を加える。まず、今回最も意識した点の1つは導線と語った。

昨シーズンまでは1塁・3塁とゲートが分かれていたが、今シーズンからゲートを手前に置き1ヶ所に統一した。西武球場前駅の改札を降り、左を向けばすぐ目の前にメットライフドームがそびえ立つ。駅の目の前にあるという利点を活かし、これまでの導線を整理した。

「私たちは『導線』をすごく意識しました。今までは目の前にチケットセンターがあり、さらに少し歩いて左側にお弁当屋さんがあるなど、機能が分散していました。なので今回の改修では、駅を出て左側に行けば全て揃うように集約したのです」

ファンクラブ窓口やチケットカウンターも一新。駅を出れば”ボールパーク”が目の前に広がり、来場した方が迷わず向かえるよう想像したという。導線の統一化もライオンズだからできるボールパークの1つの形である。

導線を意識し、各窓口を一箇所に統一した

また、球場内部も大きな改修を加えた。西武ライオンズ球場が開場してから40年、ドーム化を経ながらも同じ球場をずっと使用してきた。老朽化や暑さ対策も球団の長年の課題であった。

「事業を開始する経緯の中で球場の老朽化というものもありました。観客席も40年使ってきましたのでほぼ全席刷新しました。バックネット裏の地下部分を掘り下げ、バックネット裏としては12球団最大の『アメリカン・エキスプレス プレミアムTM ラウンジ』を新設しました。

約200席ある『アメリカン・エキスプレス プレミアムエキサイトTM シート』と、お食事やお飲み物が楽しめるエリアを含まれており、年間シートを持っておられるお客様向けの施設を充実させます」

(※アメリカン・エキスプレス プレミアムエキサイトTM シートは新型コロナウイルスの感染対策により、現在は販売対象外)

座席は自然の緑が映えるグラデーションのデザインと列番号の上にレオマークを配した

暑さ対策にも力を入れる。狭山丘陵に位置し、上述の通り自然共生型であるメットライフドームは気候の影響を受けやすい。特に夏場は構造上、屋根の影響で熱がこもるため、暑さ対策を行う必要があった。

そこで今回、両軍のダグアウトに空調設備を導入し、選手たちが少しでも快適にプレーができるよう整備した。7日に行われた竣工式で後藤オーナーも、「特に嬉しかったのがダグアウトのベンチ。選手たちも今まで以上に戦う環境が整備されたと思います」と喜びを語った。

「アメリカン・エキスプレス プレミアムエキサイトTM シート」グラウンドレベルでの観戦を楽しめる

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