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「セカンドキャリアのトップを走りたい」横浜DeNAベイスターズ 桑原義行さん 失敗から学んだ”自責のコミュニケーション”と描く今後の姿

全員で向き合った”自責のコミュニケーション”

そこでまず考え方を変え向き合ったのが 自責のコミュニケーション。”全ての結果は自分にある”という認識を持つことである。

例えば自分の伝えたことを仲間が理解していないというケースがあった際、”何でできないのか”ではなく、自分の伝え方が悪いのでは?→ではもっとわかりやすく伝えるためにはどうすればいいかと、次のアクションを変化させていった。

横浜ビジネススクールでは自身と他者の理解を深めるワークショップを行った(球団提供)

そして、コミュニケーションの在り方を変えるとともに、長期的なチームの方針を明確にした。

「20年後に名実ともに世界一のスポーツチーム」

これを実現するために、人材育成の観点で「監督・コーチ・スタッフが真に一体となって選手と向き合うチーム」をつくることを掲げたのだ。

桑原さんらの尽力で”自責のコミュニケーション”の考え方が浸透し、組織が活性化し更なる進化を生み出そうとしている。

「マネージャー育成が至上命題」

壁を乗り越えコミュニケーションの形を創りあげている人材開発グループ。次に取り組んでいることは何かを訊いた。

「今後はスタッフを育てていくこともそうなのですが、直近の課題はマネージャーをどう育成していくかという課題です。

ここから5年・10年先を見据えると、働く環境整えることでメンバーが活躍してくれるというのは基本にありつつ、環境やメンバーを構築するマネージメント面をどう育てていくかが至上命題でもあります」

マネージャー育成が次の課題と語った(球団提供)

マネージャーをどう育てていくか。働き方が多様になるなかで、”将来は出世してきたい”という考えを持つ人が減りつつある世の中。

少し前のデータになるが、パーソル総合研究所が2019年の2~3月に行った調査によると、日本人は「現在の会社で管理職になりたい」という人も、「会社で出世したい」という人も、調査対象になった14国のなかで最も割合が低いというデータもある。 

桑原さんはじめチーム全体として、組織の現状や世の中の傾向に目を向けており、危機感を感じている。 

「チームの中で見ても大きな課題と感じています。今のご時世、働き方も多様になっていく中で、上位レイヤーに魅力を感じてくれる人が非常に減ってきています。

組織を継続的に発展させていく観点で言うとクリティカルな課題でして、マネージャーがどれだけ指針をつくりだせるのか、また後進に伝えていくということがないと、組織も継続的な発展は難しいと思っています。なのでマネージャー育成は至上命題だと考えています」 

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