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「セカンドキャリアのトップを走りたい」横浜DeNAベイスターズ 桑原義行さん 失敗から学んだ”自責のコミュニケーション”と描く今後の姿

かつて横浜(現:DeNA)ベイスターズで外野手として7年間プレー、現在はチーム統括本部育成部に所属する桑原義行さん。

DeNA体制初年度から球団職員としてセカンドキャリアをスタートさせ、グラウンド内外での改革を共に歩んできた。

昨年11月までは同部のチームディベロップメント部として人材開発にも携わり、球団の更なる成長を図ってきたが、そこで大きな壁に直面していた。

今回はそこをどう乗り越えていったのか、そして桑原さんの今後描く姿などをお送りする。

>前編はこちら

(取材協力 / 写真提供:横浜DeNAベイスターズ、文:白石怜平)

豊富な研修を揃えた結果、裏目に…

20年に入ると、新型コロナウィルス感染拡大により勤務や研修がオンライン中心へと切り替わった。場所や時間を問わずに受講できるメリットを活かして、さらに知識を増やすよう社内に展開していった。

しかし、それが思わぬ方向へと向かってしまった。

「さまざまな研修を通じて思想・知識を深めていけば、より良い人材ができていくという考えでした。でも、実際は提供側と受講側で意見の衝突が起きてしまいました」

人材開発グループとしては、更なる成長を促すために多くの学びを提案する一方で、受講側は自身の仕事の時間を割かなければならないなど、温度感に差が生まれていった。

「伝えたけど・伝わっていない…」

「言った・言わないの認識がずれている…」

桑原さんもその温度差に悩み、チームビルディングについて相談に乗っていただいている外部協力者の方に相談した。すると返ってきたのは衝撃な一言だった。

「チーム間の関係性など、ミーティングする中で話をしていたら、きっぱり、『あなたたち間違ってますよ』って言われたんです…。」

豊富な研修を導入した際に直面した壁について話していただいた(球団提供)

12年の参入当初、球団スタッフは大洋ホエールズ時代から在籍している方やチームのOB、つまり元プロ野球選手などで構成されていた。

球団の業績が上がるのに合わせて人材採用を積極的に行い、コンサルティング会社出身や人材紹介会社出身など多様なバックグラウンドを持った方たちが集まるようになった。

そのため、価値観や物ごとの見方・捉え方が異なるのは自然な流れであった。

「『まずは、あなたたちから学び直してください』と言われて、はっと気付かされました。ただ、どうしていいかも分からなかったですし、今までと同じやり方をやっても同じ失敗を繰り返すだけ。

コンサルしてくださっていた方が元々トレーナー出身の方で、身体や脳に詳しい方でもありましたので、人を育てるとはどういうものか・コーチングというのはどういうものかを我々から学び直すことにしました」

次ページ:全員で向き合った”自責のコミュニケーション”

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