DeNA 横浜で築く”スマートシティ”と旧市庁舎街区で展開するリアル×デジタルの融合〜横浜スポーツビジネススクール 第3回編②〜
22年12月3日から23年1月28日の間、横浜市内で「第3期 横浜スポーツビジネススクール」が開催された。
全5回各回にフォーカスし連載でお送りしているこの企画。第3回では、「スポーツ×街づくりから見る、コンテンツの活かし方」がテーマ。
三井不動産株式会社関内プロジェクト推進準備室の大坪兼士さんと、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)スマートシティ統括部の川野卓也さんが講師を担当し、26年春にオープンする「横浜市旧市庁舎街区活用事業」の内容などについて講義した。
前編の三井不動産編に続き、後編ではDeNA編をお送りする。
(取材協力:横浜DeNAベイスターズ、撮影 / 文:白石怜平)
横浜を中心に創り上げるスマートシティ「Delightful City構想」
川野さんは新卒で広告代理店に入社し、18年にDeNAに入社した。元々野球をやっていたという川野さんは、オンラインで行ってきた経験をリアルそしてスポーツの世界へ活かしたいという想いからジョインした。
所属しているスマートシティ統括部では、DeNAが所有するプロスポーツチームを持っている3拠点(横浜、川崎、相模原)において、地域とその周辺をどう発展させていくかをミッションに動いている。
DeNAは現在、地域の抱える課題をテクノロジーを通じて解決を図る「スマートシティ事業」に力を入れている。
11年にプロ野球へ参入したことが大きなきっかけとなり、スポーツを起点にした街づくりに向けてアプローチするようになった。
ただ、テクノロジーなどを駆使して住みやすい便利なまちとするだけでなく、エンターテインメントを掛け合わせた。
”住む人にも、そこを訪れる人にとっても楽しい街”。
それがDeNAの抱くスマートシティの理想像として掲げており、「Delightful City構想」と称している。
その舞台は、横浜そして神奈川を中心に展開されている。
ベイスターズを起点に横浜スタジアムに人が集まり賑わいが生まれると、より多くの方がスタジアムに来るために関内駅や日本大通り駅を訪れ、試合後にも駅周辺の施設や横浜公園なども賑わいを見せていく。
スタジアムの周辺一体が魅力ある空間となっていき、試合がない日も周辺の施設を訪れようという空気が醸成されていく流れが生まれる。その賑わいを活かしてエネルギーやゴミ問題といった社会的課題にもアプローチしている。
「試合日に3万人を動員できるコンテンツを持っているので、それを活用してどう街に貢献できるのか。十人いたらそれぞれが”またここに来たい”と感じるきっかけがあると思うので、街中で提供することをミッションとしています」(川野さん)
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