「強みは”問題発見”と”問題解決”」横浜DeNAベイスターズ 壁谷周介さん 数々のテクノロジーで実現した便利化と新たな発見

2011年の11月末にDeNAが球界へ参入し、誕生した横浜DeNAベイスターズ。

12年のシーズン以降、グラウンド内外問わずさまざまな取り組みを行ってきた。その努力は実を結び、12球団でも屈指の人気球団へと進化するとともに、現場でも近年はクライマックスシリーズ(CS)争いに喰い込むほどにチーム力を高めている。

ベイスターズ躍進の裏には、語っても語り尽くせないほどの球団職員の苦労と知恵そして経験が詰まっている。

今回から、数々の実績を生み出してきた球団スタッフの取り組みについて特集する。

第1回は、執行役員チーム統括本部副本部⻑ 兼 育成シニアディレクターを務めている壁谷周介さん。全2回に亘り、ベイスターズ入社時からこれまでを追った。

(取材協力 / 写真提供: 横浜DeNAベイスターズ、文:白石怜平)

現在は4つの領域を担当

壁谷さんはベイスターズヘ転職してから約11年、主にチーム強化の担当を歴任し、昨年12月から現在の役割を担うこととなった。

ここでは4つの領域を担当。ファームのチーム統括として、ファームコーチングスタッフのマネジメント・選手の年俸査定の評価や契約更改交渉・選手育成のため戦略策定や、育成部門とデータ戦略部門のスタッフ統括、そしてデータやテクノロジーを活用したチーム強化と多岐に渡っている。

DeNA初年度にベイスターズへ転職。地域貢献活動方針を策定

壁谷さんが、ベイスターズに転職したのは12年。DeNAベイスターズとなった初年度だった。

当時は外資系コンサルティング会社に務めていたが、ある日新聞で、「ベイスターズ球団主要ポジション募集」と求人広告が掲載されていたのを見た。元々スポーツが好きで、競技問わず多くのスポーツを観ていた。その中で最も好きなのが野球だった。

ただ、コンサルティングの仕事もやりがいを感じており、それまではスポーツを仕事にとまでは考えていなかったという。それでも求人を見た際、”ビビッときた”と感じ、応募することにした。

そして選考に通過し、スポーツビジネスの世界へと挑戦することになった。

入社後最初に配属となったのが社⻑室⻑兼地域貢献室⻑というポジション。ここでは、地域貢献活動を中心に担当した。壁谷さんのミッションは、”ベイスターズの地域貢献活動方針”を策定すること”であった。

「その時につくったものが今も活用されているフレーズなのですが、

『“FEEL”・“TOUCH”・“PLAY”』

”FEEL”=野球を感じられる機会を提供します。
”TOUCH”=野球を体験できる機会を提供します。
“PLAY”=野球をできる機会を提供します。

この3つを軸に、さまざま活動を紐づけていったのが最初でした」

壁谷さんが策定した地域貢献活動方針(球団公式サイトより)

具体的には神奈川県全域での野球教室を開催することや、中学校の硬式野球大会である「DeNAベイスターズカップ」の開催、スクール事業である「横浜DeNAベイスターズベースボールスクール」など、現在も続いている活動の礎を築いていった。

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