福岡ソフトバンクホークスの”まちづくり” PayPayドームと「BOSS E・ZO FUKUOKA」から創られる福岡の新エンターテインメント拠点

2023年、福岡ソフトバンクホークスの本拠地「福岡PayPayドーム」が開業し30周年そしてホークス球団創設から85周年でもあり、”ダブルアニバーサリーイヤー”を迎えた。

この30年で進化と発展を進めてきたホークスは、世界のスポーツ界において活発に行われている「スタジアムと周辺を活用したまちづくり」についても、日本球界で一早く取り組んできた。

今回は、球団の広報を務める池田優介さんにお話を伺い、20年7月に開業した「BOSS E・ZO FUKUOKA」についてや、球団の取り組むまちづくりについて特集する。

（表紙写真コピーライト：©SoftBank HAWKS　文：白石怜平）

数々の”日本初”が詰まったエンターテインメントビル

「BOSS E・ZO FUKUOKA」は、福岡ソフトバンクホークスの本拠地であるPayPayドームのすぐ横に立地するエンターテインメントビル。20年7月21日に開場したこの地上7階建てのビルには、多くのアミューズメントが盛り込まれている。

最上階の屋上に設置された最高到達点が地上約50mのクライミング＆ボルダリング、全長約300ｍ超のコースからなるぶら下がり式レールコースター、そして地上40mの高さからビルの壁面に沿って地上まで一気に滑り降りる全長100mのチューブ型スライダーの3つがある。

この屋上に設置されたアトラクションは「絶景3兄弟」と称され、ビル屋上に設置されたレールコースターと建造物に付随したチューブ型スライダーはいずれも日本初上陸であり、まさにここでしか味わえない体験ができる。

その他にも”観る”ものとしてHKT48（1F）と福岡よしもと（7F）の劇場、”遊ぶ”ものとして、チームラボフォレスト福岡（5F）やバーチャルコンテンツが体験できるV -World AREA（6F）など、楽しみ方も様々。

3Fには”食”のエンタメを演出するフードホールフロア「The FOODHALL」があり、”九州初上陸”・“有名店の新ブランド”といった名店が集結している。

同フロアには現在日本で唯一の「MLB café FUKUOKA」があり、10月21日には3月のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）で侍ジャパンの世界一に貢献したラーズ・ヌートバー選手（セントルイス・カージナルス）によるトークショーが開催された。

そして、今もなお世界記録の通算868本塁打を放った”世界の本塁打王”で、ホークスの監督としても2度の日本一へと導いた王貞治・球団会長の栄光の軌跡を辿る「王貞治ベースボールミュージアム」が4階にある。

王会長の生い立ちからのヒストリーをパネルで追うことができ、これまで受賞した数々の品も近くで鑑賞することが可能。さらに最新技術を活用したデータ分析も行えるなど、現代と昔が融合した非日常的空間が広がっている。

野球の枠を超えたさらなるニーズの発掘へ