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「”80%の部分”をいかに上へと引き上げていくか」福岡ソフトバンクホークスが示した意外なデータとアプローチとは?~第4期横浜スポーツビジネススクール 第5回編~

一大イベント「鷹の祭典」で見つけた課題

コロナ禍で一度は減少とならざるを得なかった来場者数を再び上昇気流へと乗せたホークス。ただ、来場者を増やしただけではなく実際に来た方たちに満足を提供し続けたからこその結果であった。

球場内外で様々なイベントが展開されている

球場演出やグルメ、数あるイベントや企画の中でもホークスで最も注目度が高いのが「鷹の祭典」。毎年7月頃に行われる一大イベントで、限定ユニフォームが制作・着用されている。

イベントは毎年福岡のみならず東京・大阪でも行われ、開催日全試合でユニフォームは来場者全員(ビジター応援席を除く)に配布されるなど、各地のスタンドがコンセプトカラーで染まり、大きな盛り上がりを見せている。

街一体となって鷹の祭典を盛り上げている

鷹の祭典はダイエー時代の04年から開始し、今年で20年目を迎えた。期間中は公共交通機関の方々やタクシーの運転手さん、銀行員の方々などがユニフォームを着用しながら勤務するなど、地域を挙げてイベントを盛り上げる。

夏の風物詩とも言えるイベントとなっている一方、白川さんは講義である課題を示していた。

「認知度については手ごたえを感じていたのですが、改めて鷹の祭典でユニフォームを配布されるのを知っているか問うと、実は県内で6割程度でした。つまり40%はイベントを知らないデータが出たので、より訴求させていきたいと考えたんです」

鷹の祭典のユニフォーム配布の認知度も上げる取り組みが行われた

前章での8割の層へのアプローチ、そして鷹の祭典の認知度向上などのために、球団はより訴求力の強いTVの力も活用した。CMや番組を放送することで非認知の層へとアプローチしていった。

これらの努力が実を結び、今シーズンの年間観客動員数は12球団で3番目かつパ・リーグ最多の250万人を突破するなど、これまで以上にファンを開拓している。

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