島田慎二チェアマンが「TOYOTA ARENA TOKYO」を視察 込められたこだわりの数々に「衝撃を受けました」

9日、Bリーグの島田慎二チェアマンが江東区青海の「TOYOTA ARENA TOKYO」の視察に訪れた。

現在建設中の新アリーナを回り、終了後に感想も寄せた。

(取材 / 文:白石怜平 表紙写真:©TOYOTA ARENA TOKYO)

今秋開業するアルバルク東京のホームアリーナ

「TOYOTA ARENA TOKYO」は今秋開業するアルバルク東京の新ホームアリーナ。建設には様々な背景が合わさっている。

アルバルク東京はこれまで国立代々木競技場や武蔵野の森総合スポーツプラザなど、数会場を活用しながらホームゲームを開催してきた。

その中で“東京”という地域で安定的に興行を行うためにも、自身のホームアリーナが必要とかねてから感じていた。

また、26年開幕予定の「B.LEAGUE PREMIER」制定も大きなきっかけに。参入するには、収容人数5000人以上などの基準を満たすアリーナを所有することが条件の一つに存在する。

そして、この場所は株主であるトヨタ自動車が保有する「メガウェブ」の跡地。湾岸エリアの賑わいづくりへの貢献や、メガウェブに代わる新たな情報発信の拠点として建設されることになった。

今秋ついに夢のアリーナが開業する(©TOYOTA ARENA TOKYO)

この日は島田チェアマンとアルバルク東京の林邦彦・代表取締役社長、林洋輔・アリーナプランニング部 部長の3人で建設中の施設内を回った。

島田チェアマンから共有された話とは?

アリーナには「スポーツ」「モビリティ」という3つの重点テーマが掲げられている。スポーツにおいては「次世代スポーツエクスペリエンス」として、観戦体験の注目ポイントが全体に施されている。

バスケットボール観戦における収容人数は約1万人で、観客席の設置形状が楕円(オーバル)型であることが特徴。360度全ての席からコートが見やすい形状となっている。

また、メインゲートから入場すると真っ先にメインビジョンやコートが目に入り、非日常空間へと誘う設計となっている。

アリーナ内の設備では見やすさと演出にこだわった3層構造のセンターハングビジョンや国内初、2層のリボンビジョンが設置される。

「コートとの距離も近いですし、どこからでも見やすい。角度がコートに向いてるので首だけ動かすというのがないです。センタービジョンの迫力や国内初のリボンビジョン2層など、一つ一つ考えられているなと。基準がグローバルで、世界を見ていると感じました」

シートにも着席し、座り心地も確認した島田チェアマンは各設備に込められたこだわりに感銘を受けていた。

コートやホスピタリティエリアも隈なく視察した(©TOYOTA ARENA TOKYO)

約1時間、全体の視察を終えた島田チェアマンはアリーナの印象についてこう表現した。

「一言で言うと相当驚きました。私も海外でアリーナをたくさん見ていますし、国内はもちろん全て見てきましたが、久しぶりに衝撃を受けました」

ここで島田チェアマンは「共有します」と、クラブから聞いた話を披露してくれた。

「先ほど聞いたんですけども、多くのスタッフが意見を出し合いながら造り上げていると。ここまでの代物をたくさんの人が関わっているのは類を見ないケースだと思います」

ここでは林社長が補足。スタッフの意見を取り入れていることについて、より詳細に語った。

「我々には完成後の運営を担う役目があります。何が大切か・何が障壁かというのはアリーナのプランニング担当に加えて、これまでの経験値がある運営スタッフの意見も取り入れています。そういった点もチェアマンから評価いただいたと思っております」

林社長自ら島田チェアマンに各所の説明を行った(©TOYOTA ARENA TOKYO)

「東京そしてリーグ全体を牽引していってほしい」

アリーナが果たす役割はこれまでにない観戦体験となる上質なホスピタリティ・サービスにとどまらない。

バスケットボールの試合以外にもコンサートやMICE、その他のイベントにも活用の道を開いていく。

林部長は「運営するにあたってはアルバルクの試合以外も大切だと強く思っています」とし、その使命感を述べた。

「お台場エリアであるこの地域を盛り上げたい。この先何十年と長く根付くものなので、地域に愛されるアリーナ・愛されるクラブにならないといけないです」

林部長もアリーナ運営に向けた強い想いを明かした(©TOYOTA ARENA TOKYO)

林社長も地域の発展について想いを抱いている。将来に向けた展望をここで明かしてくれた。

「様々な施設が集積するような場でありたいです。我々単体ではなく、アリーナでバスケを見ていただいたら他の施設にも寄っていただけるよう、連携した地域活性化を実現させたいです。

この臨海地区に入ってきてくれたら“1日で終わらないよ”というような世界を、さまざまな施設と連携しながら実現していきたいです」

多くの施設との連携をキーに挙げた(©TOYOTA ARENA TOKYO)

そして取材の最後、島田チェアマンはアリーナそしてアルバルク東京が創り上げる未来に期待を寄せて締めた。

「今後、ここに来るたくさんファンを楽しませてくれると思います。Bリーグのトップクラブで日本を代表するクラブ。Bリーグの象徴的存在だと思いますので、このエリアにとどまらず、東京そしてリーグ全体を牽引していってほしいです」

今後のアルバルク東京に向けてもエールを送った(©TOYOTA ARENA TOKYO)

島田チェアマンも驚きを見せた「TOYOTA ARENA TOKYO」。東京に新たにできる非日常空間は多くの夢と可能性を秘めている。

(おわり)

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