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プロ初打席で受けた栗山監督からの”謝罪” 北海道日本ハムファイターズ 谷口雄也さん 入団時に西川遥輝と語り会った日々から一軍デビューまで(全5回 #1)

12年、優勝争い真っ只中で一軍初昇格

1年目の猛練習、ファームでの実戦を重ねて迎えた2年目。早くも一軍昇格の機会が訪れた。

「初めて一軍に上がるとなった時、『これから何が待ち受けてるんだろう』という不安がすごく強かったです」

昇格したのはなんと9月。結果はファイターズがリーグ優勝を果たすのだが、この時は西武と優勝争いを繰り広げていた最中だった。昇格の際のやりとりを明かしてくれた。

「9月の頭だったんですけども、糸井(嘉男)さんが脇腹を肉離れしてしまったんです。その時僕の調子がすごく良かった。ファームでもずっとヒットを打ち続けたのもあってチャンスが巡ってきました。

マネージャーさんから『明日から一軍です』と連絡来た時は鳥肌が止まらなかった、そんな感覚を覚えてるんですけども、東京ドームでの主催試合だったので、鎌ケ谷から向かいますと言ったら『明日先発で行くって監督言っているから準備しろよ』と言われ、そこでさらに緊張が増しましたね」

2年目で早くも一軍に昇格した

プロ初出場は9月4日の楽天戦、2番・右翼でスターティングメンバーに名を連ねた。次の3番には西川が二塁で先発しており、前年初めてのキャンプで苦労を共有しあった2人が早くも一軍の優勝争いという特別な場所で共にグラウンドに立っていたのだ。

特別な初打席で栗山監督から受けた”謝罪”

1回裏に先頭の陽岱鋼が出塁し、早くも迎えたプロ初打席。記念すべきデビューの打席は意外な結果となった。

「僕の初打席は送りバントだったんです。(笑)。しっかりとランナーを進めることができて、ベンチに戻ると監督が『初打席なのに本当にごめん!』とまさかの謝罪。

僕も勝利に貢献するためにチームプレーをしっかりやらないといけない立場なので、初めて1軍に上がって作戦面でも自分がバントを決めるといった点では、良いスタートを切れたと思いました。今だから言えるのは初打席くらい打たせてくれよと(笑)」

翌日も同じ打順でスタメン出場。待望のプロ初安打も放った。大一番が続いていた時期に、ファイターズファンの歓声を浴びながら過ごした特別な2日間は大きな経験となり、プロ野球人生の本格的なスタートにもなった。

今年球団SNSで振り返った初安打時の様子

「1年目の時に”プロ野球のレベルとは”という話をコーチや先輩から聞いて想像していた一軍の舞台と実際に自分が立って感じた一軍の舞台はやはりかけ離れていたものがありました。早い段階でそういう場所を経験できたからこそ、また『この一軍で野球がやりたい!』という想いが強くなったんです。

ようやく一軍に向かってしっかりと腰を据えて、プレーする・練習をするところにたどり着けたのではないかと思いました」

翌年は14試合、そして14年は72試合出場とブレイクの階段を登っていった。

つづく

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