
ローリングスによる「親子グラブ作り体験」 世界で唯一のグラブとともにかけがえのない思い出をつくる場に
3月、東京スカイツリータウン®︎内で「親子グラブ作り体験イベント」が行われた。
「MLB Tokyo Series Fan Fest presented by Guggenheim」の一環で開催され、スポーツメーカー「ローリングス」によって親子の絆が深まる空間が創出された。
(写真 / 文:白石怜平)
”世界に一つ”親子で作るグラブ
この親子グラブ作り体験イベントは、アメリカ発祥のスポーツメーカー「ローリングス」が主催したもの。
MLBオフィシャルサプライヤーでもあるローリングス製のグローブを自らの手でつくり、それをプレゼントするという特別企画である。
ローリングスジャパンの担当者は、開催の背景を明かしてくれた。
「今回のグラブ作り教室は、PLAY BALLというアメリカとカナダの各地で開催される、MLBを代表する青少年参加型イベントの一環として開催させていただきました。
PLAY BALLは、野球未経験もしくは野球経験の少ない小学生を対象にしております。ローリングスとしては、MLB Tokyo Seriesの開催と合わせ、一人でも多くの子どもに野球というスポーツに触れてもらう、興味を持ってもらえればということで、MLB Japanさんと一緒に開催することになりました」
今回は3月8日(土)と9日の2日間、合計30組60名の親子が参加した。

イベントの指揮を執ったのは、グラブの組付け職人である池北晃明さん。
「大変ですけども、頑張ってください。私のことは”師匠”と呼んで下さい(笑)」

池北さんは長年野球専門店の「ベースマン」に在籍し、オーダーグラブの組み立てや各種メーカーの修理、さらにはメーカーと共同でバットやグラブなどの商品開発などを手掛けてきた職人。
今回は、池北さんと助手5人で親子の貴重な思い出づくりと未来の野球人への道を切り開いていった。
袋から出した状態では、まだ各パーツに分かれていたため硬さはなかったが、池北さんは「今はまだ柔らかいけども(完成したら)硬く動かなくなるからね」と補足した。

製作がスタートすると、池北さんのレクチャーからステップを踏んで紐を通して行った。
「短いのが2本と長いのが2本、輪ゴムで止めちゃいます。短いの2本は押し込んでも入らないから気をつけてね」

ただ、やはり簡単ではなくうまく紐が通らず苦戦する様子も。助手の面々が各テーブルの近くにスタンバイし、丁寧に説明しながら”できる”を体感できるように自らの手で通せるようにリードした。

工程が進むと親子での会話が増えていき、「師匠!」「はい!」などと子どもたちから”SOS”の手がたくさん挙がった。
池北さんや助手はすぐに駆けつけ、アドバイスと途中まで通しヒントを送るとその場で子どもたちも「できた!」と笑顔を見せた。このようにして完成へと近づいていく。

そして誰一人取り残されることなく、最後の工程へと辿り着いた。
玉結びの際に「切りすぎたら最後結べなくなっちゃうからね」というアドバイスを聞いた親子たちは、その紐を結びきってついに自作のグラブが完成した。
2時間かけて全員で作りあげた最後、池北さんは子どもたちにメッセージを送った。
「自分たちでつくったグローブだから大事にして使い込んでくださいね。また大きくなって買う時が来ると思うので、その時は今日のことを思い出してくれたら嬉しいです」

最後は池北さんを交えて記念撮影を行うなど、参加者は全員名残を惜しむように会場を後にした。
ローリングス担当者はイベントを終えて、今後の展望を明かしてくれた。
「イベントにはこれから野球を始める子どもさんも参加しており、まさにファーストグラブを親子で作りあげるという機会にもなったので、完成後のグラブを手にする子どもたちの笑顔が何よりも嬉しかったです。
今回は東京での開催でしたが、今後は各地方でもグラブ作り教室をMLB Japanさんと共に開催し、子どもたちが野球に触れることのできる場を増やしていければと思っております」
ローリングスの新たな取り組みは東京のシンボルから日本中へと広がり、野球人口の発展に貢献していく。
(おわり)
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