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村上雅則さん MLB日本開幕シリーズ記念の特急出発式でテープカット 出発合図で列車も見送り「メジャーデビューより緊張した」

3月7日、浅草駅で特別ラッピングされた東武鉄道の特急「りょうもう」の出発式が行われ、日本人初のメジャーリーガーとなった”マッシー”こと村上雅則さんがテープカットを行った。

カブスとドジャースが日本で開幕戦を開催するMLB Tokyo Series presented by Guggenheim」の開催を記念したもの。

車体はMLBカラーである赤・ネイビーに彩られ、前方にはMLBのロゴであるバッターマンロゴが、また側面には同シリーズ並びにカブスとドジャースのロゴが並んで配置されている。

列車にはバッターマンロゴと両チームのロゴがあしらわれた

世界各地で野球振興に力を入れているMLBと、沿線の子どもたちと”野球イベントを通して地域とつながり、野球の魅力を伝えていきたい”という東武鉄道の強い想いが一致し、今回の特別ラッピング列車の運行が実現した。

特別ラッピング列車は3月31日まで運行し、期間後は一部ロゴを変更し今年末ごろまで運行を予定。区間は、東武スカイツリーライン・伊勢崎線・桐生線となる。

村上氏は堀江通永・東武浅草駅長とともにテープカットや出発合図を行い、駅のホームで右手を横に広げながら発車を指示し、姿が見えなくなるまでしっかりと見送った。

テープカットを務めた村上氏と堀江駅長

イベント後に村上氏は「メジャーデビューした(1964年の)9月1日よりも緊張したよ」と報道陣を笑いに包んだ。

「失敗したらいけないし」とプレッシャーもあったという村上氏。ラッピング列車については「カブスとドジャースのマークが入って格好いいなと。乗ってみたかったです」と率直な思いを語った。

また出発式が行われたこの3月7日は、「実は(64年の)あと3日後に実は羽田からアメリカに発った日なんです。近いなと思いながら」と、渡米直前の日だったと感慨深げに振り返った。

64年にアジア人初のメジャーリーガーとしてサンフランシスコ・ジャイアンツに昇格し、9試合に登板し初勝利もマーク。翌年は45試合に登板し一時は抑えを担うなど、4勝1敗8セーブ・防御率3.75という好成績を残した。

当時は日本人選手がメジャーの舞台で投げるというのは村上さんただ一人。その後95年の野茂英雄さんがデビューするまで約30年を要し、以降から徐々に海を渡る選手が増えていった。

現在はメジャーを目標として公言する選手が多くいるまでになり、その変化について感じたことを語った。

「メジャーに日本人が5人もいるなんて、考えられなかった。そういう意味ではね、楽しみにしていますよ。今永と山本(が開幕投手で)、日本人の投げ合いなんて61年前は考えられなかった。

(南海で共にプレーした)日本人の大先輩である杉浦(忠)さんがメジャーで投げてくれないかと、言われたらしいんですけど『行かない』と言っていた時代でしたから。今思うとすごいところでやっていたんだなあと。光栄というか幸せですね」

60年前に今につながる大きな道を切り拓いた

筆者からも当時と現在の選手の違いについて問いを寄せてみた。村上氏が挙げたのはフィジカル面についてだった。

「昔もすごい選手がいました。今相対的には体力が上がっていると思うし、日本人も外国人に対して引けを取らなくなってきている。私の時は65年だったかな、(MLB通算379本塁打の)オーランド・セペダがいたんですよ。

彼にクラブハウスで呼ばれて、指の捻り相撲みたいのをやろうと。それで『指2本でやれ、俺は中指1本でやるから』って捻り合いしたら負けちゃって。すごい力が強かったんですよね。今は日本人も体の力が強くなってきたと思います」

自身がデビューした当時からの大きな変化に感慨深い想いを語った

そして取材の最後、今シーズン日本人選手で期待している選手を挙げた。

「期待しているのは菅野。36歳で行って、彼は三振は取れなくてもピッチングのうまさを持っている。できれば捕手の言う通りに投げるだけではなく、自分の思っているピッチングの組み立て方を貫いてほしい。

私も20歳でデビューしてやった時に、捕手のサインで自分の思うボールじゃなければ首振って投げていましたから」

村上氏は、プレシーズンマッチ初戦となる阪神ーカブス戦の始球式を務める。今につながる最初の道を切り拓いた左腕の功績は今後も語り継がれていく。

(おわり)

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