
青木宣親さんが特別コーチに!ニューバランス社開催のキッズボールパークは”大好きなことに打ち込む”きっかけに
3月20日、渋谷区内でニューバランスジャパンによるベースボールクリニックが開催された。
「The Shohei Ohtani Collection Tokyo」のコンテンツの一つとして行われたクリニックには特別コーチとして青木宣親さんが登場。
日米通算2730安打を放った大打者からマンツーマン指導も受けられる特別な時間となった。
(写真 / 文:白石怜平)
子どもたちに夢を実際に見せ、体感できる企画
本クリニックは3月15日から23日の間、SHIBUYA TSUTAYAにて行われた「The Shohei Ohtani Collection Tokyo」の一環で行われたもの。
同イベントは、ニューバランスファミリーの大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・ドジャースが東京で開幕戦を行うタイミングで期間限定にて行われた。
スポーツを体験する・応援する・学ぶことの楽しさをより多くの方に発信するため、東京を代表する観光地である渋谷で開催された。
ニューバランスジャパンの小澤真琴さんが本イベントの意義についてなどを語ってくれた。
「今回大谷選手が来日されるタイミングで開催してるのですが、シグネチャーロゴに込めたメッセージを伝えたい想いがあります。
ロゴは”二刀流だから打つ投げる姿”ではなく、その根底にある少年の姿・野球そのものを楽しみ全力を尽くし、次の塁をめがけて走る姿を表現しています。
未来を担う子どもたちにも大谷選手のように、”大好きなものに打ち込んで頑張ってほしい”。そのきっかけづくりの場となっています」

同社は昨年9月21日〜23日に明治公園で「New Balance Kids Ballpark」を開催しており、野球場を模したフィールドで体験コーナーを設けた。
今回も継続して行うことで、”特別な体験”を一人でも多くの子どもたちに感じてもらいたい意思も込められている。
「スポーツをするきっかけ・好きなものを見つけるきっかけとなり、そこに向けて一生懸命頑張ることで、大谷選手そして今回来ていただいた青木さんのような素敵な未来を創ることができる。それを少しでも感じてもらえたら嬉しいです」(小澤さん)
青木さんを始め、豪華なコーチ陣に
クリニックは「SHIBUYA TSUTAYA」の屋上に設置された特別フィールドで実施。青木さんは全3部構成のうち第2部で担当した。
最初の紹介では、前日まで行われていたMLB開幕戦で会場を盛り上げたMC MAMUSHIさんが登場。東京ドームの熱気をそのまま注入するような進行で、早くも会場の余韻が蘇えるかのような雰囲気を作り上げた。
コーチも豪華な面々が揃った。元巨人の辻東倫さんや甲子園出場経験のある三上駿さん、そして元女子硬式野球選手の村山智美さんの3名が務めた。
MC MAMUSHさんの紹介で青木さんが姿を表すと、全員が大きな拍手で迎えた。

最初のプログラムはキャッチボール。まずは三上コーチが基本をレクチャーした。
「(右投げの子は)左を向きましょう。それで体を横に向けます。そこから相手に向かって足をまっすぐ出します。グローブをはめた手も相手を向くようにします」
三上コーチが青木さんに補足があるか問うと、「僕が投げるところを見てみて。引退試合以来初めて投げるのですが(笑)」と、動作を見せながら一つ付け加えた。
「気持ちをしっかり持って、投げる意識を相手に向けることね。技術的には足を上げて踏み出して投げることを今言ってくれたけど、あとは構えてるところに投げる意識がすごく大切だからね」

「簡単そうじゃない?行けるからやってみよう!」
子どもたちの背中を押すように言葉をかけ、一人ひとりがボールをコーチに投げ込んだ。
その後は青木さんがキャッチボール相手となり、子どもたちにとってまたとない機会になった。受ける球がどんどん速くなっていき「みんな上手いよ!経験者じゃない?(笑)」と驚く様子を見せた。
キャッチボールコーナーを終え、青木さんはまずここで総括した。
「バッチリです。しっかり投げれています。捕る方はまだ怖さがあるかもしれないけども、数をこなせばできるようになるから継続しようね」

バッティングで重要な”タイミング”
続いてはバッティングのコーナーへ。ここでは日本そしてメジャーの舞台で輝きを放ったヒットメーカーによる特別レクチャーからスタートした。
「まだ全力じゃなくていいから、自分が振りやすいように振ることね。”あまりバットが重くないから振りやすそう”でもいいから、とにかく自分が振りやすそうなもので。
あとは投げるのと一緒で、横向いてピッチャー方向に足を踏み出して打つこと。タイミングが重要だから『イチ、ニ、サーン』って声に出してみてもいい。
頭でこれをイメージするだけでもタイミング合ってくると思うから、もしタイミング合わないなと思ったらイメージだけでもしてみてください」

そしてここでもデモンストレーション。青木さんが培ってきた技術を目の前で見れる機会に。現役時代から変わることないスムーズな軌道を描き、快音が響いた。保護者たちを含め、ここでも大きな拍手が沸いた。
子どもたちは、ティースタンドに置かれたボールを目掛けてスイングを繰り返した。青木さんもその様子を見ながらマンツーマンでアドバイス。
「もう少し後ろに立ってみて。ボールを置くところは踏み出す足のつま先の延長上ね」
「打った後もボールも見るように。そしたらしっかり当たるよ」
などと、野球経験有無に合わせて的確にポイントを伝えた。
いいスタートは「ぼんやりと見ること」
3つ目のプログラムは盗塁。「ゴー」「バック」の掛け声でスタートと戻りを繰り返す。ヤクルト時代の2006年に盗塁王を獲得し、MLBでも通算98盗塁を記録した青木さんから実演を交えてスタートの心得が説かれた。
「盗塁した経験ある人いるよね?リードしたらなかなかいいスタートって切れないでしょ?その理由は、ピッチャーを見た時にどうしても”いいスタートを切らなきゃ”って思ってしまう。そうなると体って動かなくなる」

テクニックとしては出塁して投手が足を上げた瞬間にスタートするなどあるが、青木さんの持っていた意識はより柔軟なものだった。
「なので、なんとなくぼんやりとピッチャーを見るようなイメージでいい。ぼんやりと見て、相手が動いたらスタートってやるとうまく切れる。
みんな集中しようと思ってずっとこの辺(投手の足)しか見てないことってよくある。そしたら体って動かない。ぼんやり見た中で(相手が)動いたらゴーってやるといいスタートを切ることができます」

子どもたちはコーチ陣の掛け声に応じてスタートと戻りを繰り返した。スタートの際は笑顔で全力で駆け抜け、楽しむ様子を見ることができた。
青木さんは三上コーチから走るのが速くなるコツを聞かれると、「いろいろあるけども盗塁に特化しようか」とこのように答えた。
「リードした時に右足を開いてあげると2歩目が行きやすい。みんなまず走ろうと思うだろうけども、意識的に少し右足を二塁ベース側に向けてあげると次の足が前に進みやすいからすぐトップスピードに乗れます」
何事も「続けていくこと」が大切
最後はストラックアウト。一人10球で9枚の的を何枚抜けるかをチャレンジする。
再びMC MAMUSHIさんが登場し、青木さんにデモンストレーションをお願いした。結果9枚中7枚を抜き、さすがの制球力を見せた。10枚抜きに向けたポイントについては、
「さっきキャッチボールで教わった足を投げたい方向に向けることが本当に大事。あとは”行けー!”っていう気持ち!(笑)」

始まると、全力で的に向けて投げ込んだ。早々と10枚抜きを達成した子もおり、会場中が驚きと歓声に包まれた。また、青木さんも他の子どもたち一人ひとりにハイタッチするなど、声かけを欠かさなかった。
約1時間のクリニックを終えると、青木さんは子どもたちにメッセージを送って締めた。
「みんな上手。難しいこともあったと思うけど、少しずつ続けていけば必ず上達するから。そしたらもっともっと上手くなるし、いい方向に向かっていくから。
何事もそうだけど、”続けていくこと”って大切だからね。その気持ちを大切にこれからたくさんチャレンジしていってほしいです」
青木さんとの特別な時間はここでは終わらない。ここから場所を移し、”素敵な未来を創った”軌跡を青木さん自身の言葉で語る場が設けられた。
(つづく)
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