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西武ライオンズOB戦 土井正博さん 80歳でも衰えぬ芸術の流し打ち「何回優勝を見せてもらえるか楽しみにしています」

3月16日、ベルーナドームで 『LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME2024』が行われた。

45年にわたる西武ライオンズの歴史を彩ってきた63名のOBが一堂に集結。レジェンド同士の対戦にファンは歓喜の連続だった。

球場を一際大きく盛り上げたのが、御年80歳の土井正博さんの打撃だった。

(写真 / 文:白石怜平、一部敬称略)

名選手そして名伯楽が見せた打撃技術

土井さんは1961年に近鉄に入団すると翌62年のオープン戦では4番を打ち、「18歳の4番打者」として注目された。

その後長距離打者としての才能が開花。プロ通算2452安打・465本塁打・1400打点の成績を残し、最多安打2回・本塁打王1回・ベストナイン3回にも輝くなど球史に残る成績を残した。

選手・指導者の両方でライオンズの歴史に欠かせない土井さん(写真左)

ライオンズには前身の太平洋クラブ時代の75年から在籍し、西武が初優勝をする前年の81年までプレーした。

引退後の85年から期を分けて約14年もの間、西武で打撃コーチを務めた。土井コーチの教えで開花した選手は挙げきれないほど多く、球界を代表する打者を育て続けた。

試合前の練習では自らノックバットを持ち、ゴロを打ち込む。昨年12月に迎えた80歳という年齢を感じさせない動きで、教え子たちをもう一度鍛えた。

ノックでも鋭い打球を放った

試合前のトークショーにも登場し、「1打席立ちます」と宣言した通り、試合ではチームLIONSの3番・DHとしてスターティングラインナップに名を連ねた。

見せ場は初回にやってきた。打席に立つと腰を下げバットのヘッドを投手に突き出す威圧感たっぷりの構えを見せた。背番号3の醸し出すオーラは現役当時そのもので、そのフォームにファンは酔いしれた。

チームSEIBU先発の潮崎哲也が投じた3球目、112km/hの球を引きつけると打球は一・二塁間を綺麗に抜けて右前に。

右翼手の大友進がさばき右ゴロになるも、スタンドそして両軍ベンチから大きな拍手が沸き起こった。打たれた潮崎投手自身も、降板後のインタビューで

「土井さんのはヒットでしょう。大友進が空気を読めない!ベンチでしかっておきました」と土井さんの打撃に脱帽しきりだった。

この活躍によって試合後は特別賞として表彰を受けた。鮮やかな右前打についての問いには「もう必死。足が動かないよ(笑)」とコメントした。

表彰式では、改めてライオンズの優勝を願った

来場した満員のファンに向けては、

「このような会に選ばれて非常に嬉しいです。80歳にしてもう一度西武の優勝を見たいと思います。何回優勝を見せてもらえるか楽しみにしています」

とライオンズナインにエールを送った。そして、両監督が試合後に並んで試合を振り返った。

つづく

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