「自分の思う球が投げられなくなって…」石井丈裕 故障との闘いと台湾で打ち上げた最後の花火
西武ライオンズ黄金期に活躍し、現在はライオンズアカデミーのコーチを務める石井丈裕氏。
その92年、自ら「大きな花火を一発上げました」と語る通り、
西武ライオンズ黄金時代に主力投手として活躍し、現在はライオンズアカデミーのコーチを務める石井丈裕氏。
92年には15勝・防御率1.94の成績をマーク。沢村賞とシーズンMVP・さらに日本シリーズでも球史に残る勝負を勝ち抜き日本シリーズMVP、そして正力松太郎賞を受賞するなど華々しい活躍を見せた。
93年以降も実力は衰えを見せなかったが、途中で故障に苦しむことになる。連載企画の第5回は台湾を含む2度の移籍、そして現役引退までについて振り返る。
（取材協力：西武ライオンズ、文：白石怜平、以降敬称略）
93年も12勝でチームのリーグ4連覇に貢献
翌93年も12勝を挙げ、先発ローテーションの一角を担い4連覇に貢献。沢村賞を獲得した前年の148.1イニングを大きく上回る191.2イニングを投げた。
2年連続の顔合わせとなったヤクルトとの日本シリーズでも、第4戦に先発した。チーム、そして自身もリベンジを許す結果となってしまったが、決して”一発屋”ではなかった。
ただ、前年にフル回転した代償が少なからずあったことも事実だった。
「（92年は）満身創痍だったのかもしれません。93年、実はあまり体調が良くなかったです。前の年の疲れなのかもしれないですが、腰を痛めてしまいました。日本シリーズも投げさせてもらえましたけれども、4回で変わってしまいましたから」
この後も先発そしてリリーフと配置が変わりながら投げ続けていく。ここで、同じ右腕で先発の軸として共にローテーションを担ったチームメートの凄さを語った。
「GM（渡辺久信）は毎年のように200イニング投げていたじゃないですか？ずっと続けていくのは凄いと思います。それを痛感しましたね。私は93年に190イニングでしたが、1年でもしんどかったのに何年も投げていましたからGMは」
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