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名球会・小笠原道大がサヨナラ打!野球教室とエキシビジョンマッチを通じ「野球の良さを知ってもらい、野球にのめり込んでほしい」

24年12月22日、立川市の「立飛グループ」創立100周年記念事業として「立川×名球会 ベースボールフェスティバル」が開催された。

ベルーナドームで行われたイベントの午後には日本プロ野球名球会と立川オールスターズとのエキシビションマッチが行われ、名球会が劇的なサヨナラ勝利を挙げた。

その立役者がこの日リードオフマンを務めた小笠原道大氏。

7イニング制で行われた最終回、2−2の同点で迎えた2アウト二塁。カウント1-1からの外角直球を現役時代から衰えない下半身の粘りを保ちながら振り抜く。

打球は鋭い当たりで三塁線を破ると、代走の西武・熊代聖人2軍外野守備・走塁コーチが生還しサヨナラ勝ちを決めた。

三塁線を破る当たりは劇的なV打になった

この日は自ら「劇場でしょう」と語る展開から始まった。

先発は本職ではない左翼で出場すると、初回に早速レフト線への当たりが襲った。途中一塁に回るとイレギュラーバウンドの打球や、満塁のピンチにつながるプレーもあるなど、不運も続いた。

しかし、それは己のバットで全て振り切った。第3打席で遊撃の頭上を越えるクリーンヒットでこの試合初安打を放ち、ラミレス氏の同点打の足がかりをつくった。

第3打席で綺麗な逆方向への安打を放つ

そして最終回サヨナラのチャンス。監督も務めた古田敦也氏は前打者の荒木雅博氏にバントのサインを出した。古田氏は終了直後に、

「最後荒木が打ちたいと言ったんだけどね、送りバントのサインを出したんです。勝ちに行きました」

と勝利への執念を見せた。期待を背負った侍も「必死で打ちました。なんとか食らいつきました」と応え、1万7000人近い観衆を最高潮に沸かせた。

勝利を決め、ナインから祝福を受けた

「もうファールにならないでくれと(笑)。その前に1本打ててたんで、同じような感じで打てればいいなと思っていたんだけども、途中まではどうであれ、最高の形になったので良かったです」

もちろんMVPへと選出され、表彰式では賞品として立飛ビール1年分をゲットした。

MVPを受賞し、表彰台にも立った

野球教室や社会貢献活動など”発見の年”に

試合前にはこの日参加した名球会員による野球教室が行われ、小笠原氏は田中幸雄氏・ラミレス氏と共にバッティングを担当した。

間近にいられることに喜びを隠せず、走って並んで待った子どもたち。小笠原氏も一人ひとりのスイングを見守りながら声をかけた。

午前には野球教室で打撃指導も行った

この2週間前には、現役時代から18年もの間千葉県市川市で開催している、「小笠原道大杯争奪 市川市少年野球大会」の閉会式に出席していた。

毎年会場へ駆けつけ、子どもたちに向けて成長へとつながるメッセージを送っている。今回は、「すごいプレーを成し遂げ続けるためには必要なことがあります」し、”基本”の大切さを説いた。

昨年はプロ入り後から選手・指導者として27年間着続けたユニフォームを初めて脱ぎ、「今まで経験したことのない発見の年」と語っていた。

YouTubeや雑誌などのメディアに加え、主戦場だったグラウンドでも形を変えて活躍するなど新たな挑戦の連続だった。本イベントの他にも数々のOB戦に主軸として出場しながら、野球教室でも全国を飛び回り、講師として野球の楽しさを伝えた。

加えて少年野球大会との両輪で活動している身体障がい者チーム「千葉ドリームスター」のGMも務めることから、社会貢献活動にも尽力している。

身体障がい者野球チーム「千葉ドリームスター」”GM”も務めている(昨年5月撮影)

神戸で開催された全国大会や地元千葉県で開催された地区大会にも足を運び、選手たちを直接激励した。

このベースボールフェスティバルでも子どもたちへの指導に加えてプレーでも盛り上げた小笠原氏。

イベントの最後には「どんどん野球の良さを知ってもらって野球にのめり込んでいってほしい。自分もその力になれればと思います」と語った。

2025年も野球を通じた挑戦はまだまだ続いている。

(写真 / 文:白石怜平)

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