リコーブラックラムズ東京 ホストエリア世田谷のファンにハードワークを見せるも、試合終了残1分に見た天国と地獄(リーグワン第6節)
試合間際に起こった逆転に次ぐ逆転劇
試合は13時にキックオフ。今回ブラックラムズが対するのは昨年のリーグワン覇者であるクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。
1年前の対戦では38-40でブラックラムズが惜敗するも、大接戦を繰り広げていた。
昨年5月のシーズン報告会でも、メイン平が最も印象に残った試合に挙げており、「自分たちのDNA=泥臭さを体現でき、”トップ4を相手にも戦える力がある”と肌で感じたいい試合でした」と語っていたほどだった。
約1年後に相まみえたこの試合でも、最後まで手に汗握る試合になった。
試合が動いたのは前半12分、SOのアイザック・ルーカスがラインブレイク。
そこから、パスを受けた第2節以来の復帰となった主将のHO武井日向がタックルを外しゲインを取ると、最後はWTBシオペ・タヴォが先制トライを決める。
20分にスピアーズのWTB根塚洸雅にトライを決められ追いつかれるも、ブラックラムズらしいハードワークを見せ、17次攻撃を重ねるとWTBネタニ・ヴァカヤリアがトライを決め10-5と勝ち越して前半を終えた。
後半も泥臭く根気強いラグビーを見せ、この5点を守るブラックラムズ。しかし、27分に試合が動く。
スクラムでペナルティを取られると、自陣近くでラインアウトモールに。ブラックラムズはここで守り切ったが、スピアーズがパスを5人でまわすと根塚
に再びトライを決められ同点に。FBゲラード・ファンデンヒーファーにコンバージョンゴールも決められた。
34分にはペナルティから再びファンデンヒーファーにショットを決められ15-10と5点のビハインドを背負うことになった。
しかし、最後まで諦めないラグビーもブラックラムズの真骨頂。試合終了間際でのプレーだった。相手ペナルティでのラインアウトから、今度はブラックラムズがモールで相手ゴールに激しく迫った。
ここでレフリーの笛が鳴る。スピアーズ側のペナルティとして認定トライを宣告した。この時点で後半79分、残り1分のところでブラックラムズが17-15と土壇場で逆転した。スタジアムが騒然となる中で80分になったところで、再びレフリーの笛が鳴った。
なんと、ブラックラムズ側のペナルティに。スピアーズはショットを選んだ。キッカーのファンデンヒーファーがそのショットを放つと、無情にもHポールの中を抜けた。
この日集まった7608名の観衆からは歓声と悲鳴が入り混じり、ブラックラムズフィフティーンは頭を抱え膝から崩れ落ちる。一方、スピアーズフィフティーンはファンデンヒーファーを囲み歓喜の輪ができた。
17-18。最後まで何が起きるか分からない、ラグビーの醍醐味と恐ろしさを一手に味わう試合となった。
終了後は黒く染めたファンに挨拶した
ただ、ブラックラムズは7点差以内の敗戦によるボーナスポイントを獲得し、勝ち点を7に伸ばした。順位は10位で、9位の三菱重工相模原ダイナボアーズを勝ち点差3で追っている。
試合後ヘッドコーチ・主将の会見