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【特集】戦場への帰還 ~不屈の精神と長き闘いの記憶~埼玉武蔵ヒートベアーズ 由規兼任コーチ 第3回 伝えたいメッセージにあったある投手との共通解とは?

「手術=治るではない」

ヤクルト時代に約5年に亘るリハビリを経て復帰を果たし、その後もう一度肩を痛めるも不屈の精神で再起し、今も現役として腕を振り続けている。

この間を今振り返る中からこそ感じたことがあるという。これはある投手の発していた言葉と共通点があった。

「今思うと手術する前もそうなのですが、もっと自分の身体に興味を持って練習やリハビリに対して向き合っていたら、結果的には長持ちできたのではないかというのはあります」

同じことを言っていたある投手とは、元中日ドラゴンズの吉見一起。吉見は、13年にトミー・ジョン手術を受け、長期のリハビリを経て復帰している。以前、そのことを伺った際に

「トミー・ジョン手術の時にも感じましたが、その怪我に対しての知識を頭に入れて、どういったことをする必要があるか興味を持っておくべきと思いました」

と語っている。その話を紹介すると由規も大きく頷いていた。

「このご時世はたくさんの情報を得られるので、自分自身が興味を持って情報を入れつつ、先生やトレーナーが言ってたことをちゃんと理解して、『この練習はこういう意味があるんだな』というのをもっと細かく見れたらリハビリの方向性って変わったんだろうなと思います」

吉見一起(元中日)もリハビリの取り組みについて由規と同じ考えがあった

また、手術を受けるアスリートに向けて警鐘を鳴らしていることがあった。注意した方がいいことについてこう助言を贈った。

「手術したら違和感や痛みは消えると思うのですが、そこで勘違いをしてはいけないのは”治った”と思い込んでしまうこと。手術すると言う事は、元々のある筋肉に傷を入れて修復してるわけなので、治ってはいないと思うんです」

これを踏まえて何が重要なのか。ここでさらに続けた。

「そこからのリハビリを積んで、パフォーマンスを発揮できるようになることが一番重要なんです。僕も復帰初戦にファームで155km/h投げたので、治った感覚ではあったのですが、今思うとその前後のリハビリをもっと細かくできたんではないかと思っています。

今になって経験もして知識も増え、情報量も多くなってきたから言えることなのですが、『トレーナーが言ってたのはこういうことだったんだ』と後から理解できたというのがありました」

手術後の過ごし方・考え方について助言を送った

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