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【特集】戦場への帰還 ~不屈の精神と長き闘いの記憶~埼玉武蔵ヒートベアーズ 由規兼任コーチ 第2回 神宮のマウンドにカムバック。1771日ぶりの復帰と1786日ぶりの勝利

復帰2試合目で1786日ぶりの勝利をマーク

復帰戦は悔しくも勝利で飾れなかったが、その忘れ物をすぐに取りに行った。復帰2戦目となったのは、前回と同じ中日戦。今回は敵地ナゴヤドーム(現:バンテリンドーム ナゴヤ)での登板となった。

立ち上がりを無失点で切り抜けると、落ち着いた投球で中日打線を抑え込んで行った。5回1/3を投げ、4安打3奪三振で2失点の投球だった。後続も抑え、1786日ぶりの勝利を手にした。

「神宮で投げた時よりも、もっとバッターと勝負できてる感覚がありました。『この場面は絶対に点数をやってはいけない』とか、『ここは1点取られてもOK』など、状況判断ができるようになっていたんですよ。2試合目にして。それが、よかったのだと思います」

復帰2試合目の登板で早くも冷静さを取り戻していた

その後も間隔を空けながら登板を重ね、16年は5試合に登板し2勝3敗、防御率4.56という成績をマーク。このまま昇格できなければ戦力外という可能性もあった中、戦力として投手陣の一角に加わるシーズンとなった。

17年は、開幕はファームで迎えるも好調を維持。イースタン・リーグでは4試合に登板して3勝、防御率1.04の成績を残す。さらに登板間隔を中6日で投げ、4月28日のDeNA戦では完封勝利を挙げ9回を投げ切っていた。

5月に昇格すると、以降は登板後に間隔を空けるため出場選手登録は外れるも一軍には帯同し、そのままシーズンを走り切った。10試合の登板で前年を上回る成績3勝(5敗)を挙げ、防御率4.31の成績だった。

「17年は最初ファームでしたが、投げたら(登録)抹消という形で結果的に最後まで一軍に帯同できたので、良い形で投げられたと思います。痛みもなく、16年より強度も平均球速も上がってきていたので。先発で長いイニングも投げていたのでさらに状態が上向いていました」

その後も登板を重ね、先発でも投げられるようになっていった(球団提供)

次ページ:復帰登板の過程にあった思考の転換

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