【連載企画】四国アイランドリーグPlusの今〜徳島インディゴソックス編〜
アルバイトを制限し、練習する選手も
5月10日までのグラウンドが使用できない間はできる範囲で工夫し、練習を行なっていた。吉田監督が投手を、駒居鉄平・橋本球史両コーチが野手を見ていた。
「投手に関しては毎日入れ代わりで選手が僕の自宅に来て練習しています。近くに砂浜があるので走ったり、空き地でネットスローなどをやっています。野手に関しては駒居・橋本の両名に任せていますが、選手からコーチに連絡してやっていると聞いています」
グラウンドが使えない状況で試行錯誤する中、どんな発見があったのか。吉田監督はこう続けた。
「外でも体を鍛えられることが分かったと思います。砂浜を走るにも足がきつくなる。バランスを崩さないために体の力が必要だなというのは自分たちで分かったでしょうし、新たな発見が選手にもあったと思います」
インディゴソックスの選手たちもアルバイトで生計を立てている。野球の練習を第一に考えながらやっている選手が多いという。
「基本的に練習したいということで、アルバイトを制限しながらやっている選手もいます。意欲が強いと感じますね」
目標は日本一連覇とNPB輩出の両建て
吉田監督はこれまでNPBで投手コーチを9年務めた他、BCリーグの信濃グランセローズ・関西独立リーグの和歌山ファイティングバーズと各リーグで指導者の経験を積んできた。クラブチームの監督を2年経た後、今シーズン、徳島インディゴソックスの監督に就任した。
前年日本一となったチームの印象はどうだったのか。
「昨年優勝してますし、7年連続NPB選手を輩出していますので、そこを目標にしている選手が多いです。志も能力も高い選手が多いので、指導者としてはすごく面白いチームですね」
連覇を目指すシーズン、チーム状態についてこう語った。
「昨年から残っている選手は少なくて、ほぼ新しいチームという感じです。レギュラー半数以上は入れ替わってますし、作っていく段階のチームでした。最初は時間が足りないと思いましたが、一度延びて3月28日の時点で状態は上がっていました。ただ、もう一度作り直すのでこれからですね」
目標は独立リーグ連覇だけでなく8年連続NPBへ輩出することだ。その想いを語った。
「両建てが、独立リーグの正しい姿だと考えています。チームでやる上で優勝を目指さないチームは良くないです。あとは、勝利に対してどれだけ貢献できるかが選手の価値だと思います。その価値を高めていった中で個人の能力が上がっていくので、(優勝とNPB輩出の)両建てが1番いいと思います。選手が上手くなろうと思っても勝ちを目指さなければ上手くならないので」