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「割り切り方はチームの中でトップクラスだったと思います」久保康友 プレッシャーに負けない思考力「野球は確率論と考えています」 〜阪神・DeNA時代編〜

自身の考える「野球は確率論」

久保は09年に阪神へ入団後、13年まで4年間プレーした。阪神といえば甲子園球場をほぼ360°黄色に染める熱烈なファン、そして関西メディアによって連日大きな注目を浴びる。

結果を残せば賞賛されるが、残せなければ厳しいヤジが容赦無く飛んでくる環境でもある。そんな中でも自身を見失わずに数字を出し続けてきた要因は何だったのか。まず、久保が返した回答は

「タイガースのプレッシャーは?というのもよく聞かれるのですが、世間的なプレッシャーと仕事に臨む心意気は別のところにあると考えています」

ということだった。その意図についてさらに問うてみた。言葉1つ1つに考え抜かれた行動であることが如実に表れていた。

「他の方たちを見ていると、自分の性格そのままにマウンドへ上がって仕事をしている人が多いです。僕は仕事になったら”仕事モード”に入るので、別人格とまでは言わないですが、もう割り切っています。

と言うのも、自分の納得するボールを投げる練習をしてもダメな時ってありますよね?打たれないためにいいボールを投げる練習をしてるので、そこで打たれてしまったら仕方ないと思うんです。そしたらまた練習するしかないですから。割り切り方はチームの中でトップクラスだったと思います」

”投げる哲学者”というフレーズがつくほどの理論派である(球団提供)

加えて、久保の持つ持論として”野球は確率論だと思っています”と語り、こう続けた。

「手前に”選択”というのが必ずありますよね。その選択を選んだ時点でもう決まっているわけです。どういう数字が出ようが、もう結果が出てるわけです。その選択をして打たれたら自分の実力がないわけですし、抑えたら相手の裏をかいた自分が上だったわけです。

もし7割の確率を選んで失敗したなら、その確率を7割から7割5分へと上げていけばいいと考えています。なので終わった後に結果にとらわれることよりも次どう確率を上げるかなので、感情は入らないんです」

確率論に沿って理路整然と語ってくれたが、それ以前にプロとしてのしっかりとした心構えがあった。久保が厳しい環境の中でもパフォーマンスを挙げられた要因がここにもあった。

「あと覚悟としては僕らはプロですので、そもそもダメだったら叩かれるのって当たり前なんですよ。高い給料をもらってみんなが羨むような生活できているわけですから。

厳しいことなど何を言われようが、それがこの職業の良いところじゃないかなと思ってるんですよ。逆に普段生活していてそこまで言われることってないですから。なのでそれはそれでいいことなのではないかと僕自身考えていました。だって今の僕は普通に生活していて、そんな批判されることなんてないですもん(笑)」

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