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「力を合わせて野球界・スポーツ界を変えていきたい」筒香嘉智が語るスポーツマンシップと将来のための制度とは?

1月8日、NPO法人BBフューチャーにより、「筒香嘉智選手と野球界の未来について語ろう」がオンラインで開催された。

同法人が運営する少年野球チーム「堺ビッグボーイズ」のOBで、現在ピッツバーグ・パイレーツでプレーする筒香嘉智選手も登壇した。

「野球界の未来」をテーマに約1時間半、現状の課題や変わりつつある風習そしてアメリカの野球を経験し感じたことなどを参加者と語り合った。※以降、敬称略

(取材協力 / 写真提供:NPO法人BBフューチャー 文:白石怜平)

選手同士敬意を表し合う」スポーツマンシップ

球数制限に続いてのテーマは「スポーツマンシップ」について。

ここでは、中村聡宏・日本スポーツマンシップ協会代表理事会長(千葉商科大学サービス創造学部准教授)をメインに展開した。

同協会は、18年6月に設立された一般社団法人。相手への尊敬や勇気・覚悟といった要素が詰まった「スポーツマンシップ」の概念をさらに啓発することを目指し、講演やセミナー活動などを中心に行っている。

優れたスポーツマンシップを発揮した個人・団体を表彰する「日本スポーツマンシップ大賞」を制定しており、筒香は昨年特別賞を受賞した。

中村は、現在メジャーリーグでプレーしている筒香に、アメリカにおいてのポーツマンシップについて伺った。

「打者が打って、相手守備の選手がいいプレーをしたときは、打者が相手にヘルメットを取ってリスペクトの意を表しています。そういった光景をこの2年間、実際に見ていました。

あと試合前の練習でチームメートが打ち終わると、ベンチ裏にいる選手も含めて必ずボールを全員で拾いに行きます。バットも倒れていたら誰かがすぐに直します。もし、やらなければ”お前Bad Teammateだ”と冗談を言いますし、選手同士お互い敬意を表し合うのはアメリカで多いと感じました」

また、マイナーにいた際にも、驚いたことがあったという。

「昨シーズン途中、マイナーリーグも経験しましたが、相手をリスペクトするというのは監督・コーチが毎日選手に伝えているシーンがありました。僕は最初びっくりしたのですが、とても大切なことを選手に伝えていると思いました」

中村は、ここでスポーツマンシップについてここで補足をした。

「スポーツマンシップとは、自分との戦いでもであると思います。決して”勝つこと”を捨てることではないです。ここでは勇気・覚悟がキーフレーズで、そこは自分との戦い・欲に流されず自分をどう律することができるのか。内なる戦いと他者との競争の両方を求めてほしいと考えています。

よく、スポーツマンシップを大事にすると”それでは弱くなるのでは”と思われがちなのですが、それは全く逆です。相手に勝ち、自分の内なる戦いも乗り越えていくと間違いなく一人一人が強くなる。そういう選手が集まっているチームは自然と強くなっていくと思います」

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