「見て覚えることで、自分で考えるきっかけに」ライオンズアカデミー 石井丈裕コーチも認めた新たな取り組みとは?
南与野校ではアカデミー初の動作解析を導入
ライオンズアカデミーでは今年、新たな取り組みが開始された。4月に新たに開校した南与野校で動作解析による指導が導入された。
導入に向けては、源田壮亮選手がトレーニングなどを行っている「株式会社DIAMOND ALLIANS」が運営するディーエーアカデミーと提携。 通常のアカデミーコーチによる技術指導に加え、プロスポーツ選手も取り入れている撮影機器を用いた動作解析などを行い、専門のトレーナーが正しい身体の使い方などを指導するカリキュラムとなっている。
導入されたきっかけを尾名高さんに訊ねた。それは6月までアカデミーコーチに在籍していた、OBの金子一輝さんとの縁だったという。
「金子さんが現役の最後にお世話になっていたディーエーアカデミーのトレーナーさんと関わる中で、昨年ですとメンタルビジョントレーニングという周辺視野を広げることで、野球では選球眼の向上につながるといった効果が期待されるトレーニングなどを提案していただいていました。
元々ディーエーアカデミーさんは動作解析などの分野を専門としていたこともあり、アカデミーに導入したという経緯です」
内容としては3ヶ月に1回、生徒の投球や打撃フォームの動画を撮影する。撮った動画を現役選手の映像と比較し、改善点を洗い出す。
それを踏まえたトレーナーからのアドバイスとともに、ディーエーアカデミーで制作している動画教材を活用し、パフォーマンスアップにつなげるものになっている。
石井コーチも、実際に指導する立場として動作解析の意義を語った。
「我々の現役時代からそうですが、闇雲にやっていても上達しないんですよ。自分の姿がどうなっているのかを理解できないとやはり上手くならない。動作を第三者に見てもらえるのはとてもいいことだと思います。見て覚えることで、自分がどうしなければいけないかも考えますし、大切なことです」
ライオンズアカデミーとしても初の試みということもあり、事務局へも度々問い合わせが来ているという。
「保護者の方達からも、地域の野球で動作解析をするというのが馴染みが薄いことなので、どんなことをしているのかお問い合わせをいただいています。我々としても、専門性を強めるためにトレーナーさんの力を借りて行っているのですごく新鮮ですね」(尾名高さん)
動作解析は南与野校のみで行っており、学年別に2クラスに加え中学生と大人クラスの計3つを用意。それぞれ15 人の少人数制を取っている。(他校は各クラス24名〜30名ほど)
「南与野校では、少人数制を取っています。初年度ということで試行錯誤中でもあるので、今後他校でも広げられるようやっていきたいですね」
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