• HOME
  • 記事一覧
  • 指導 / 教育
  • 元巨人軍・鈴木尚広 ベースボールクリニックで伝える体軸トレーニング「ケガでチャンスを逃してほしくない」

元巨人軍・鈴木尚広 ベースボールクリニックで伝える体軸トレーニング「ケガでチャンスを逃してほしくない」

原点は若手時代の経験

鈴木は、福島・相馬高から1996年ドラフト4位で巨人に入団。2016年に引退するまで巨人一筋20年間の現役生活を送った。

上述の通り、走塁のスペシャリストとして活躍し、通算盗塁数は228(成功率.829)を記録。代走での盗塁数132は現在もプロ野球史上最多である。

TSBBCを立ち上げたきっかけは、若手時代の体験からであった。

プロ4年目の2000年、まだファームにいた鈴木は独学でウエイトトレーニングを行っていた。体重も増えて見た目で分かるほど体格が大きくなり、手応えを感じていたという。

当時はとにかく重いものを挙げられればパワーがつくと考え、過度な重量で鍛えていた。

結果、野球のパフォーマンスが上がるどころか、肉離れや腰痛など故障を繰り返すようになり、試合に出ることすらできない状況が続いてしまった。

自身の経験を元に指導活動を行っている(TSBBC 公式Instagramより)

「ケガでチャンスを逃してしまう」

現役生活の中で、ケガによって野球を断念してしまう選手も数多く見てきた。これらの経験がTSBBCの原点になっている。

「僕は若い時、ケガがすごく多かったんです。それでチャンスを逃したくないという想いが強くありました。また、故障で挫折してしまうことがプロアマ問わず非常に多いです。なので、ケガをして欲しくないというのがTSBBCに懸ける1つの想いとしてあります」

2006年、岩館先生との出会い

プロ6年目の2002年、当時就任1年目の原辰徳監督にその才能を見出され、1軍デビューを果たした。主に代走で出場数を増やす一方で、上述の通りケガなどで戦線離脱を繰り返していた。

この状況を打破するために新たな変化を求めていた2006年、後の選手生活において欠かせない人物と出会う。

理学療法士でJCMA認定体軸セラピストの岩館正了先生である。

岩館は、東京都日野市でデイサービスなど医療介護事業などを展開する「株式会社iMARe(イマレ)」を運営する傍ら、鈴木氏のパーソナルトレーナーを引退まで約10年間務めた。出会った当時の印象を語った。

「最初鈴木さんの体を診た時、硬くて動きも悪く『これがプロ野球選手?』って思いました。でも逆にこれでプロ選手だったら伸びしろがすごくあるなと思ったんです」

プロ10年目、岩館との出会いが転機に(TSBBC 公式Instagramより)

当時鈴木はプロ10年目。岩館の「私なら変えられます」という言葉で、ゼロからもう一度挑戦しようという想いが沸いた。自らを変えるため、二人三脚で再スタートを切ることになった。

関連記事一覧