身体障害者野球日本代表 “野球命名の地”松山で出陣。9月の世界大会に向け「スポーツの力・明日への活力を発信する」

山内啓一郎監督が紹介した身体障害者野球の始まりから現在

午前10時にイベントが開始。記念すべきオープニングにこの結団式が行われた。

日本代表を率いる山内啓一郎監督を先頭に、コーチそして選手たちがグラウンドで横一列に整列する。メンバーの名前が一人ずつ紹介され、前に出て挨拶をすると会場全体が拍手で包まれた。

参加メンバー全員を1人ずつ紹介した(中央は前回大会MVPの早嶋健太投手)

続いて、山内監督がマイクの前に立った。

NPO法人日本身体障害者野球連盟の理事長も務めている山内監督は、球場に集まった野球ファン及びYouTubeのライブ配信で試聴している方々に向けてチームの代表の1人として挨拶した。

ここで、まず身体障害者野球をより多くの方に知っていただきたい想いを込め、ルーツそして現在についてを紹介した。

「身体障害者野球は、神戸が発祥の地と言われています。それは、神戸にあります医療施設に当時、阪急ブレーブスの選手の皆さまが毎年訪問して下さっていました。

その中に、”世界の盗塁王”福本豊さんがルーキー時代から何度も来ていただいて、野球の楽しさ・面白さを教えていただきました。それをきっかけに神戸にチームができ、関西を中心に広まりました。

挨拶した日本代表・山内啓一郎監督

障害のある方々が全国で野球ができることを目指し、全国大会の開催に向けて、ちょうど今から30年前の93年に『NPO法人 日本身体障害者野球連盟』が設立されました。

現在、競技人口は1000人に迫ろうとしています。福本豊さんは連盟設立当時から協力いただいておりました、現在まで名誉理事長として、今も活動を続けていただいております」

>福本豊さんと身体障害者野球の誕生についてはこちらから

9月には世界大会が開催される。挨拶では、会場そして画面の向こうの方々へ意気込みを語るとともに、この日のイベント開催への感謝の意を表して締めた。

「新型コロナの影響で1年延期しましたが、第5回の世界大会『World Dream Baseball』が9月、バンテリンドームナゴヤで開催されます。

大会に向けて代表チームが一丸となって世界一を目指しますので、ご声援よろしくお願いします。

少しでも多くの方々が身体障害者野球に関心を持っていただければ幸いです。最後に本大会の開催にご尽力いただきました、皆様に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます」

このイベントは松山市も後援している。市を代表し、野志克仁(のしかつひと)市長が式に参加し、チームへエールを贈った。

また、午後の試合に臨んだ日本プロ野球名球会からは佐々木主浩副理事長(元横浜ベイスターズ、シアトル・マリナーズ)が代表として上がった。

「世界大会を3回優勝してると伺っています。皆さんプレッシャーもあるかと思いますが、大会に向けて一生懸命練習し、そして楽しんでプレーしていただきたいと思います。応援していますので頑張ってください。名球会メンバーも来ていますので、試合を見るのを楽しみにしています」

と日の丸を背負うメンバーへ佐々木氏からもメッセージが贈られた。

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