身体障がい者野球「千葉ドリームスター」土屋大輔 逆境を乗り越える反骨心

“自分だからできる野球”がある

バッティングでも投げる同様、左手一本で振っているがそこで苦労することがある。

「やるからには大きなホームラン打ちたいとか最初は思ってましたが、両手でプレーする選手には敵わない。ほんの少しのタイミングのずれでボールに負けてしまいますし、引きつけただけだど最後押し返すことができない感覚があるので、すごく難しいですね」

バッティングでは自身の特性を活かしている

バットは、大人用の一番軽い重さを使っている。今後は少年用の重いバットを使うことを検討するなど、自身の持つ障がいと向き合いながら試行錯誤を重ねている。意識の面では、自分の特性を活かすよう心掛けているという。

「片手しか振れないから活躍できないかと言うと決してそうではなくて、私だからできる野球があります。相手のウィークポイントを意識したり、空いてるエリアに打つように心がけています」

攻守でチームの中心選手に

工夫と練習を重ね、技術は向上していった。入団初年度から数年はメンバーが9人揃わない状態が続いたが、遊撃手を中心に練習や試合に参加し続けた。

現在は主に中堅手、時には遊撃手などと内外野をこなし、打ってはリードオフマンとして攻守でチームに欠かせない選手へと成長。チーム発足以来、10年以上レギュラーを守り続けている。 

2019年の関東甲信越大会では敢闘賞を受賞した

19年シーズンも、主に1番・中堅で切り込み隊長としてけん引した。チームが準優勝に輝いた同年8月の関東甲信越大会では敢闘賞を受賞し、個人での初タイトルを獲得した。今シーズンも新型コロナウイルス感染拡大の影響で制限はあるものの、活動がある限り参加し、まだまだ上達の途中にある。

そして、活躍はグラウンド内だけにはとどまらない。後編では、土屋のさまざまな挑戦に迫っていく。

関連記事一覧