千葉ドリームスター 東京ガスと交流試合を開催! 身体障害者野球×社会人野球の歴史に刻む新たな1ページに

23年11月下旬、千葉ドリームスターと東京ガスOFBL軟式野球部の交流試合が行われた。この試合はお互いにとって新たな歴史の1ページになるものだった。

(取材協力:千葉ドリームスター 写真 / 文:白石怜平)

社会人野球と身体障害者野球の交流が実現

試合が行われたのは、大田区の東京ガス大森グラウンド。この日は身体障害者野球の全国大会常連のチームと、都市対抗野球出場24回の名門が交わる歴史的な一日となった。

千葉ドリームスターは11年に発足した、千葉県唯一の身体障害者野球チーム。

設立したのは、千葉県出身でプロ通算打率.310、2120安打をマークした小笠原道大さん。

巨人での現役時代から続けている社会貢献活動の一環で、少年野球大会に続いて開始した。チーム名は”夢を持って野球を楽しもう”という想いから名付けた。

小笠原道大さん(写真後列中央)の想いからチームが誕生した(23年12月撮影)

昨年は、「第5回世界身体障害者野球大会」がバンテリンドーム ナゴヤで開催され、ドリームスターからも土屋来夢選手が代表最年少(24歳)で選出された。

遊撃としてチーム最多の2試合にスタメン出場を果たし、”もうひとつのWBC”でも世界一に貢献した。

23年の世界身体障害者野球大会で世界一に貢献した土屋来夢選手

OFBLの「野球を通じた社会貢献活動」で実現

今回千葉ドリームスターと交流したのは、東京ガスOFBL軟式野球部。

同社の軟式野球部やかつて硬式野球部にも在籍していたメンバーで構成されており、中にはアマチュア野球最高峰の舞台とも言える「都市対抗野球」に出場経験がある選手もいる。

OFBLは12企業で組織する45歳以上の軟式野球リーグで、「日本経済を背負う中堅社員の健康促進と異業種間の交流を図る」ことを目的に設立された。

加盟企業は東京ガスの他に王子ホールディングス・フコク生命・ニチレイ・ADEKA・清水建設・三菱商事・日本精工・日本郵船・ENEOS・日立製作所・スポーツニッポン新聞社の12企業が名を連ねている。

1953年から続く伝統あるリーグでもあり、昨年70周年を迎えた。今回は、OFBLの「野球を通じた社会貢献活動」の一環として交流試合が行われた。

身体障害者野球とOFBLの交流試合が実現した

東京ガスOBの豪華なラインナップで構成されたチームの中には、あの名将がこの日のために特別参加した。

21年の第92回都市対抗野球で、監督としてチームを創部初の日本一に導いた山口太輔・前硬式野球部監督である。

現役時代は慶応義塾大学野球部の主将を務め、東京ガスでも都市対抗野球や社会人野球日本選手権にも出場を重ねてきた名内野手。

山口前監督もスターティングラインナップに名を連ねた。

21年の都市対抗野球で優勝監督となった山口太輔・前監督

また、今回両チームをつなぐきっかけを作ったのは東京ガスOFBL軟式野球部のオーナーで、日本パラスポーツ協会前副会長の髙橋秀文氏。髙橋氏と日本身体障害者野球連盟との繋がりがあり、今回の交流試合が実現した。

かねてから身体障害者野球に興味を持っていた髙橋氏。今回の開催を楽しみにしていたと喜んだ。

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