身体障がい者野球「千葉ドリームスター」土屋大輔 逆境を乗り越える反骨心

悔しさを糧に猛練習、主力選手へ

最初に出た練習では楽しいと感じた一方で、左手で満足にボールを投げられず悔しい気持ちも強く残った。

「とにかく悔しかった。できないこと自体が悔しかったので、地元の幼なじみを公園に呼んで、次の練習の前などに左手で投げる練習に付き合ってもらいました。キャッチボールから始めましたね」

左手で投げられない悔しさと初めてプレーを見た時の衝撃がモチベーションになった。チームの活動以外でも休日の合間を縫い練習を続けた。その中で自身の考えに変化が出てきたという。

「山なりなボールしか投げられないのを公園で見られるのも嫌だったのですが、仲間が『全然いいよ、恥ずかしくないからやろうよ』って言ってくれて。(グラブを外してボールをその手で持ち替える)ワンハンドキャッチもできるようになってからは恥ずかしさもなくなりましたし、自分の視野がすごく広がりました」

地道な練習でスローイング技術を習得した(本人提供)

上達を実感することで喜び、そして自信へつながった。チームの盛り上げ役となっている姿からは想像できないが、「元々すごく根暗なので(笑)」と自ら話す性格が野球を通じてさらに明るくなったと語る。

努力の積み重ねは結果となって現れた。課題だった左手でのスローイングは中堅から二塁手へと届くまでになり、最初に見て衝撃を受けたというワンハンドキャッチも試合で出来るまでになった。

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