福岡ソフトバンクホークスの”まちづくり” PayPayドームと「BOSS E・ZO FUKUOKA」から創られる福岡の新エンターテインメント拠点

コロナ禍まっ只中のオープン、約2年半は忍耐の期間に

「BOSS E・ZO FUKUOKA」のオープンにおいて、池田さんは”インバウンド”を大きなテーマに掲げていると語る。

福岡県は、県別での外国人観光客数がトップ10以内に入るなど全国有数の観光地。地理的に近い韓国をはじめとするアジア諸国を中心に、コロナ期間を除いて毎年多くの方が訪れている。

球団はこのPayPayドーム一帯も、博多や天神などに続く福岡県の観光シンボルとして位置づけていきたい想いが原点になっている。

「BOSS E・ZO FUKUOKA」開業に至ったさまざまな背景を語っていただいた

しかし、開業当初は新型コロナウイルス禍が世界的に猛威を振るい始めたタイミング。当初は5月オープンの予定だったが、プロ野球開幕の延期や緊急事態宣言発令などがあり、一旦止めることになった。

その後6月19日にシーズンが開幕し、7月10日からは上限5000人とする有観客での開催となった頃に、ようやくBOSS E・ZO FUKUOKAもオープンすることができた。

20年7月20日のオープニングセレモニーの様子©SoftBank HAWKS

ただ、この約2年半は海外どころか国内の移動ですらも制限があったため、スタートから苦戦を強いられることになった。

「元々この施設をつくったときも、”インバウンドの集客”というのを大きなテーマとして持っていました。平日昼間や試合がない日の集客を考えると、キーになるところだったのですが、まずそこが完全いらっしゃらないというのがスタートから苦労したところです」

開業してから昨年の終わり頃までは、県内を中心とした地元の方が利用する割合が大きかったという。ただ、メインテーマである”インバウンド集客”が全くと言っていいほど獲得できず、当時の苦労がコメントからも明らかに伝わってきた。

「途中の過程で全国旅行支援や、Go Toトラベルなど観光支援策を打っていただいたおかげで一時的には良くなりましたが、それでも厳しいなと感じていました」

嵐の船出の中始まり、忍耐の日々が続いたが、今年に入ってから風向きが大きく変わった。

プロ野球でも声出し応援が解禁になるなどコロナによる様々な規制が緩和・撤廃された。福岡県でも海外からの観光客が多く訪れる光景が見られるなど、19年以前の活気が戻ってきた。

ここからBOSS E・ZO FUKUOKAの存在価値が一気に発揮されることになる。

つづく

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