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「斬新な取り組みを継続してやがて自信へとなった」横浜DeNAベイスターズ 桑原義行さん 肌で感じてきた11年間の”改革”と築き上げる人材開発

「ファンサービスは自然と行うもの」という文化に

14年までの3年間同職を務めたのち、15年からの3年間はファームのマネジャーを担当した。

この15年ごろは、観客動員数が大幅に増えるなど人気球団へと変貌を遂げていった時期。12年から行ってきた意識改革が実を結んでいき、自信へと変わっていった。

桑原さんもファームでグラウンドに立つにおいて、その変化を感じていた。

「1番変わったのはファンサービスですね。僕らがプレーしていた時代はあまり積極的とは言えない状況だったのですが、筒香嘉智選手や山﨑康晃選手といったスター選手が率先してファンサービスをやっている。なので、『ファンサービスはやるものだ』という文化ができていました。

12年の時点から『ファンサービスを強化する』と明確に掲げていたのですが、それが脈々と受け継がれていましたし、周りも”やらないといけないもの”と感じられているのは凄いと思いました」

初年度に掲げたチームの方針が着実に浸透していた(球団提供)

17年、日本シリーズ進出がさらなる転機に

18年からチーム統括本部に所属となり、現場の選手や首脳陣・スタッフの人材開発面も担うことになった。

ベイスターズにおける人材開発もこの11年、さまざまな取り組みを行ってきた。初年度の12年から2年間はカリスマ性を持ったトップの方々がチームの意識を変えるべく、率先してリーダーシップを発揮してきた。

14年ごろから意識に変化が見え出したことをきっかけに、チームビルディングの研修を開始。人材育成に本格的に注力を始めた。15年にはコーチ向けの研修や部門ごとの研修を導入するなど幅を広げていった。

チームにとって大きな転機を迎えたのが2017年。2年連続Aクラスに入り、クライマックスシリーズ(CS)では、2位の阪神タイガース・当時2連覇した広島東洋カープを全試合ビジターで勝ち抜き、98年以来の日本シリーズ進出を果たした。

「DeNA体制へと変わってから前例のない斬新的な取り組みを行ってきました。当初は組織として抵抗もあったのですが、継続してチーム成績も伴ってくると自信へと変わっていきました。

そうなると、『ベイスターズさんのこの取り組みはどんなことやってるのですか?』などとすごくヒアリングをされて、参考にもされるようになっていきました」

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