CyberAgent Legitがシーズン3連覇で雪辱のCSへ リーダーTAKUMI「自信はある」

CyberAgent Legitが3年連続のシーズン優勝を成し遂げた。ダンスのプロ、Dリーグは5月22日、都内で最終ラウンド14を開催。首位を走るLegitは、Benefit one MONOLIZに6-0のスイープで勝ち、優勝を決めた。6月19日に行われるCHAMPIONSHIPでは、SEMI FINALで4位Valuence INFINITIESと5位dip BATTLESの勝者と対戦する。(取材/記事:飯島智則、表紙写真はⒸD.LEAGUE24-25)

ena 涙の優勝

enaが泣いた。3年連続のシーズン優勝を決めた直後、マイクを向けられた時だった。

「まずは本当に……」

その次の言葉が、喜びの涙、嗚咽に邪魔をされて出てこない。

「……ありがとうございました」

涙声で声を振り絞りながら観客に向けて深々と頭を下げると、メンバーに向かって「みんな、ホンマにありがとう」と感謝の言葉を述べた。

「最後の最後に、この作品のディレクションを頼まれて、すごくプレッシャーだったけど、みんなに支えられて最高のショーができたと思います。ラウンド、14回ありましたが、CS……Legitが必ず取ります。そこまでサポートをお願いします」

優勝確実とみられる中、ライバルKADOKAWA DREAMSの追撃を意識しながらの作品作りに、どれほど重圧がかかったか分かるシーンだった。

enaのエースパフォーマンス(ⒸD.LEAGUE24-25)

パフォーマンスのテーマは「Keep shining」。それぞれが持つスキルと個性を出し切り、さらなる輝きを放つというコンセプトを込めた作品だった。

開始直後にシンクロパフォーマンスを取り入れ、アクロバット、enaのソロ、そして8人がそろってテンガロンハットを投げる…ステージの左右、奥行きを存分に使ったステージングで2分15秒を全速力で駆け抜ける、息もつかせぬパフォーマンスだった。

enaが見どころを説明する。冒頭のシンクロのシーンだ。

「ロッキンという、手の動きででそろえるのは結構難しかったんですけど、メンバーに無理を言ってやってもらいました。そこが一番の見どころです」

心境も振り返る。ポイントでは有利な状況だと分かっていたが、それはかえって重圧を高める要素でもあったという。

「やっぱり最後の最後まで、自分たちが勝たないといけないというプレッシャーはあったんですけど……でも、楽しんでできたと思っています」

Legitのパフォーマンス(ⒸD.LEAGUE24-25)

勝って当然のような空気に包まれながら戦い抜くメンバーの思いを、ディレクターのFISHBOYが代弁した。

「私たち、勝ち方を知っていると解説の方に言っていただき、ありがたいことなんですけど、勝ち方など知っておりません。勝ち方を知っていたら、こんなに困っていません。でも、勝てている理由としては、Dリーグに向き合って、相手チームに向き合って、お客さんに向き合って、審査員の方々に向き合って…向き合ってきたメンバーの努力だと思っています」

シーズンを通じて強さを発揮しているチームは、間違いなくLegitと言っていいだろう。しかし、CSではKADOKAWA DREAMSに敗れ、「王者」の称号を手にできていない。もちろんCSの結果にかかわらず、シーズン優勝の価値は大きいのだが、メンバーの目標はCSを含めた完全優勝しかない。

Legitのパフォーマンス(ⒸD.LEAGUE24-25)

リーダーTAKUMIが言う。

「過去2度、決勝で負けていますので、絶対に今年こそは優勝したいと思っていますし、シーズン3連覇を経てのCSは、すごく自信もあるんで、しっかり自分たちの100%を出し切って優勝したいですね」

CSはSEMI FINALからの登場となる。最大のライバルは、CS2連覇を達成しているKADOKAWA DREAMSと目されているが、その前にValuence INFINITIESと5位dip BATTLESの勝者と戦う。躍進する両チームとの対決は激戦必至で、息もつけない。

Dリーグの熱い戦いは、まだ続く。

CSに向けての決意を語るTAKUMIの動画(▷をクリック)

【順位】
❶CyberAgent Legit
❷KADOKAWA DREAMS
❸SEPTENI RAPTURES
❹Valuence INFINITIES
❺dip BATTLES
❻KOSÉ 8ROCKS
❼avex ROYALBRATS
❽Medical Conciege I‘moon
❾DYM MESSENGERS
❿LIFULL ALT-RHYTHM
⓫List::X
⓬SEGA SAMMY LUX
⓭Benefit one MONOLIZ
⓮FULLCAST RAISERZ

◆飯島智則(いいじま・とものり)2025年からフリーのスポーツライター、大学教員の二刀流で活動を始めた。1993年に日刊スポーツ新聞社に入社し、主にプロ野球担当として横浜(現DeNA)巨人などを担当。2003年からは松井秀喜選手と共に渡米して大リーグを、帰国後は球界再編後の制度改革などを取材した。近年はDリーグに力を入れている。
著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「横浜大洋ホエールズ マリンブルーの記憶」「メンタルに起因する運動障害 イップスの乗り越え方」(企画構成)。ベースボールマガジンでコラム「魂の野球活字学」を連載中。

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