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【Dリーグ連載 第7回】KADOKAWA DREAMSが「雷舞」で首位奪還 「体力ギリギリ」を吹き飛ばすエネルギー

ダンスのプロ、Dリーグの首位攻防戦は、KADOKAWA DREAMS(KD)が4-2の僅差でCyberAgent Legitを破り、首位を奪還した。4月3日、東京ガーデンシアターで開催されたラウンド11。Legitのテーマ「サッカーやろうよ」と、KDの「LIVE―雷舞―」がぶつかり合う、好勝負となった。(取材/記事:飯島智則、表紙写真はⒸD.LEAGUE24-25)

ライバルLegitとの対決

力強い打楽器の音に合わせて、KADOKAWA DREAMS(KD)のメンバーが激しいダンスを見せた。アクロバットな動き、メンバーが縦に並ぶところから横へと展開してシンクロ。そしてLENAのパワフルなソロダンスと、息もつかせぬパフォーマンスが続いた。

2年連続でチャンピオンシップ(CS)を制したKDだが、レギュラーシーズンではLegitに連敗している。単なる1戦、首位攻防戦を超えた重みを感じる対決だった。

KDの力強いパフォーマンス ⒸD.LEAGUE24-25

ジャッジは4-2で勝利。最初に発表されるオーディエンスを落とし、次のテクニックは取ったものの、3番目のコレオグラフィーもLegitに軍配が上がった。KDが敗れるのか…会場の緊張感が高まったが、そこからステージング、シンクロ、エースと続けざまに獲得した。

ステージ上でマイクを握ったDaichiは「踊る前にLENAと絶対ここで話そうと約束していたんで、めちゃくちゃうれしいです。僕たちは3連覇します。見ててください!」と興奮気味に叫んで、ファンに頭を下げた。

ラウンド後の勝利インタビューで、Daichiが勝因を口にした。

「勝利のポイントは、ダンスそのもののエネルギーと……あとは努力です」

まず、エネルギーについて解説する。テーマはLIVEを「雷舞」と漢字を当てた。雷が舞う。

「雷舞(LIVE)がテーマで、まずは生の自分たち、そして雷のようなアクロバットやバイブス、自分たちがアフロで出すエネルギーを存分に出せた。体力も結構ギリギリだったんですけど、それを感じさせないように2分15秒を踊り切るのが今回のチャレンジでした」

そして後者の努力を語る。

「リハは朝の10時から夜の10時までたっぷり、ミーティングしたり、練習しました。今回は(前ラウンドの3月13日から)期間が長かったので、皆でそれを乗り越えられたというのが勝因だと思います」

前列がDaichi ⒸD.LEAGUE24-25

Legitに対する意識はあったのだろうか。

「(前ラウンドを終えて)Legitさんは1位で僕らは2位。いつものように勝ちにフォーカスするなら、アニメーションだったり、ヒップホップとか自分たちが強いものを出すけど、今回は自分たちが強いってことを見せつけたいチャレンジがあって、みんなでアフロというジャンルを選びました」

そして言う。

「Legitさんに初めてシーズンで勝ててうれしかったです」

◆DREAMSの対Legit結果
【22-23】R10 ●2-4 Legit
     CS FINAL 〇7-4 Legit
【23-24】R12 ●2-4 Legit
     CS FINAL 〇6-5 Legit

今回の勝利で首位に躍り出た。開幕から10位、12位、9位と出遅れたものの、ラウンド5で首位に立ってからはLegitとの首位争いを展開している。残るは次回サイファーラウンド(4月29日)を含めて3ラウンド。

「今は1位でいい流れだけど、次がサイファーラウンドでどうなるか分からないけど、いろいろチャレンジしていきたい。後半戦になって、見ているお客さんの中には、各チームの作品が似てきていると思っている人もいると思うんで、KADOKAWAが毎回、毎回、新しい作品を提供して楽しんでもらえればうれしいです。最近、オーディエンスが取れていないので、オーディエンスも取って、チャンピオンシップに行って3連覇を達成したいです」

3連覇を狙うチームだが、「守る」という気は一切ない。シーズン後半に向けて、さらに攻めて、挑戦して、王者へと突っ走る。

勝利に喜ぶメンバーたち ⒸD.LEAGUE24-25

【順位】
❶ KADOKAWA DREAMS
❷CyberAgent Legit
❸SEPTENI RAPTURES
❹Valuence INFINITIES
❺KOSÉ 8ROCKS
❻ dip BATTLES
❼avex ROYALBRATS
❽Medical Conciege I‘moon
❾LIFULL ALT-RHYTHM
❿DYM MESSENGERS
⓫SEGA SAMMY LUX
⓬Benefit one MONOLIZ
⓭List::X
⓮FULLCAST RAISERZ

◆飯島智則(いいじま・とものり)2025年からフリーのスポーツライター、大学教員の二刀流で活動を始めた。1993年に日刊スポーツ新聞社に入社し、主にプロ野球担当として横浜(現DeNA)巨人などを担当。2003年からは松井秀喜選手と共に渡米して大リーグを、帰国後は球界再編後の制度改革などを取材した。近年はDリーグに力を入れている。

著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「横浜大洋ホエールズ マリンブルーの記憶」「メンタルに起因する運動障害 イップスの乗り越え方」(企画構成)。ベースボールマガジンでコラム「魂の野球活字学」を連載中。

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