高校サッカー優勝監督 長谷川大 独自の分析方法”攻撃指数”とその活かし方とは?

第100回大会を制覇した青森山田高校の攻撃指数は?

ここで、今年行われた「第100回 全国高等学校サッカー選手権大会」で優勝を果たした青森山田高校の分析データを披露し、解説した。

選手権での青森山田高校の分析データ(準々決勝まで)

上の2図は、同校の初戦から決勝戦までの全5試合を数値化したもの。初戦の大社戦(6-0で青森山田が勝利)では攻撃度数の割合が90%という数字を叩き出している。

長谷川は「これはとてつもない数字なんです」とし、

「自分の統計では、70%を超える数字に関してはほぼハーフコートゲームです。なので、90%を超えるというのはプレーしている選手たちも相手を自陣コートに釘付けにして戦っているという実感が持てていると思います」と続けた。

長谷川が全5試合でピックアップしたのが次戦の阪南大高戦(3-1で勝利)。ここでは攻撃度数が56%と、5試合で最も低い値となっている。この数値は、昨年自身が率いる山梨学院高が制覇した第99回大会を含めても、最も青森山田の陣地に迫ったチームであることを意味する。

青森山田の攻撃度数が50%台になっているのは非常に稀であるとし、唯一同校に迫ったケースとしてピックアップゲームに選定したとその根拠を述べた。

続いて準決勝と決勝について。準決勝の高川学園戦(6-0で勝利)では攻撃指数93%を記録。決勝の大津戦(4−0で勝利)でも89%と、相手のコートで攻守をし続け完結している試合であると説いた。

準決勝・決勝での攻撃度数

5試合で攻撃度数50%を下回る試合はなく、平均が81%というデータを踏まえ、長谷川は青森山田のサッカーを「相手のコートでアグレッシブに主導権を握り、攻守において圧力をかけ続けるチームであることが特徴として浮かびます」と考察した。

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