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市川スポーツガーデン国府台 「誰もが長く楽しめる場にしたい」定着に向け奮闘し続けてきた17年の歴史

従来の競技スポーツに加え「楽しむスポーツ」の開拓

ISG国府台が何より大切にしているのは”スポーツを誰でも長く楽しむ”こと。小幡さんも「ここがスタート」と語っており、設立以来ずっとその想いで続けてきた。

現在は様々な競技・ニーズに合わせたプログラムが用意されているスポーツクラブも増え、時代からいろいろな種目を経験することが競技力向上につながるという考えが成立してきたが、約20年前はそうではなかった。

「当時スポーツは競技として本気でやることに意義があるとされていた時代だったので、例えばバスケやサッカーなどは、”楽しむスポーツ”としての認識が薄かったんです」

楽しむスポーツの場として地域に浸透してきた

競技スポーツとして真剣勝負にこだわる種目であっても”楽しむスポーツ”としての在り方がある。これを長い年月をかけて浸透させていった。小幡さんらはこれらを地域イベントとしての企画・提案を行い、クラブの周知も含めて発信していった。

「いわゆる”スポ根”の要素を持たない楽しみ方があることをイベントを通じて周知しました。ただ、これもほとんどが反対意見でした。本格的にできない人たちが遊びにくる場だと思われていましたから」

競うのではなく純粋にスポーツを楽しむ、そして種目を絞らず様々な競技を経験したいというニーズが必ずある。小幡さんらはそれを信じて継続していった。

コロナ禍をきっかけに生まれた変化

長年発信し続け、そして活動を続けてきたISG国府台。風向きが変わっていったのは実は意外にも最近。20年の新型コロナウイルス禍に入ってからだった。

自粛生活に入り街から人が消え、外で誰かと一緒にスポーツをすること自体も日々の生活から離れてしまった。

人々が運動することに飢えるとともに、現役のスポーツ選手がSNSなどで「少年時代はいろいろなスポーツをやっていました」と発信することが多くなったタイミングでもあり、それを目にする人たちも増えた。

コロナ禍による規制が徐々に緩和され、ISG国府台が拠点を置く市川市スポーツセンターではコロナ前とは明らかに違う光景があったという。

「コロナ禍以降は、『仲間と楽しむスポーツも大事だよね』という考えを持つ方たちや、多くの種目に進んで挑戦する会員さんが明らかに増えました。

スポーツに対する認識が変わってきて、やっと我々が受け入れられてきたのではないかと思います」

地道な活動でクラブが認知されていったこともさることながら、小幡さんはコロナ禍に入り、地域の会員の方からある言葉をかけられていたとう。

「肩肘張らずに楽しめて、『本格的にやらない人同士で集まる場が少ないからありがたい』という言葉をいただく機会が増えました。

『こういった緊張しない雰囲気で楽しめるのがいいんです』ということで会員になる方も増えたので、原点に戻って当初の理念に基づいた自分たちの色を強く出せるようになりました」

少期から様々なスポーツに触れられる場となっている

小幡さんが語った”当初の理念”。ISG国府台では、設立目的を「ISGクレド」、活動方針を5つ制定した「ISGスピリット」と定義し約17年に亘り活動してきた。

なぜ、ここまで長く活動することができたのか。それは、小幡さんのこれまでの人生にヒントが隠されていた。

つづく

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