千葉ドリームスター 山岸英樹 エースが描く不屈のストーリー「障がいがあっても健常者に負けない動きを見せたい」

エースそして主力打者として

17年シーズンから正式に加入し、ポジションはチームが手薄だった投手になった。
試合があれば必ずマウンドに上がり、長いブランクを徐々に取り戻していった。

好きな野球がもう一度できる喜びを爆発させるかのようにトレーニングと研究の成果を発揮し、すぐにチームの主力へと昇った。

この年ドリームスターは障がい者野球の関東甲信越大会決勝に初めて進出。山岸も先発投手としてマウンドに上がった。以降、チームのエースとして3年連続で同大会決勝の先発を務めている。

関東甲信越大会の決勝に3年連続で先発(写真は19年時)

体格の良さからは意外かもしれないが、ピッチングスタイルは打たせて取る“1試合27球型”と自身では考えている。身体のメカニック(構造)を調べ、試行錯誤を重ねる中でこのスタイルに辿り着いた。

「自分は1人1球で打ち取ることが理想です。身体の構造上、全ての球種において回旋運動の中でリリースポイントが自然と変わってくるので、肘や手首を無理に捻るとかそういう意識はないです。なのでゴロを打たせてあとは味方の野手を信じて投げるだけです」

また、登板のない日は外野手や指名打者としても出場している。打順もクリーンアップを担い、19年シーズンはチーム最多のホームラン数を記録した。練習でのロングティーでは健常者でも難しい場外への打球を放ち、チームメートを毎回驚かせている。本人は自信をのぞかせた。

「ピッチャーとして取り上げられる機会が多いですが、実はバッティングの方が自信はあります。ホームランを期待してもらっていますが、自分はまずしっかり強い打球を打つことを心掛けています」

力強いスイングで相手投手に威圧感を与える

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