身体障害者野球大会『小笠原”ミニ”大杯』コロナ禍で照らされた一筋の光

1都2県の4チームが参加

本大会の参加チームは主催の千葉ドリームスターに加え、練習や有志の大会で交流がある「東京ブルーサンダース」「東京ジャイアンツ」「LIFEGUARD DREAMS」の計4チーム。

東京ブルーサンダースは1997年創設で、4チームの中で最も歴史がある。

関東甲信越エリアで行われる公式大会で優勝経験があり、”もうひとつのWBC”と呼ばれる「世界身体障害者野球大会」の日本代表にも選手を排出するなど、実績豊富なチームである。身体障害者野球を題材にした平山譲著『4アウト』のモデルにもなっている。

パラリンピック陸上・男子やり投げF46で世界ランク7位(2019年)の山崎晃裕選手も、競技転向前はブルーサンダースでプレーしていた。上述の世界身体障害者野球の日本代表として日の丸を背負った選手でもある。

東京ジャイアンツは2001年創設。ブルーサンダースと同じ東京都を拠点に活動している。体幹機能や下肢機能障害といった重度の障害や、身体と知的障害とあわせた知肢重複の障害のある選手が多く、ほとんどのメンバーが未経験から野球を始めている。

その名の通りプロ野球・読売ジャイアンツがモチーフ。18年のシーズンオフには坂本勇人選手と田中俊太選手(当時:21シーズンより横浜DeNAベイスターズ)が練習に訪れ、現在も交流が続いている。
大会当日は坂本選手が通算2000本安打を達成。参加した全員でお祝いのメッセージを贈った。

坂本選手へ2000本安打のお祝いを寄せた(チーム提供)

LIFEGUARD DREAMSは「特定非営利活動法人 日本ダイバーシティ・スポーツ協会」が結成した軟式野球チーム。埼玉県吉川市に本拠地を置いている。

今年に入ってから、コロナ禍の影響により「野球をする環境がなくなってしまった」といった問い合わせが保護者の方々を中心に協会へ多く寄せられていた。

このことがきっかけとなり、協会が動き出す。もともとは硬式野球チームとして活動しているが、並行して今年の8月、新たに軟式野球チームも立ち上げることを決めた。

メンバーはダイバーシティの名の通り、国籍・障害の有無・年齢・性別・LGBTQなど全てを受け入れるスタイルをとっている。4歳の子どもから50代までの選手20名がお互いを尊重し、切磋琢磨しながら野球に打ち込んでいる。

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