身体障害者野球大会『小笠原”ミニ”大杯』コロナ禍で照らされた一筋の光

優勝は2チームで分け合う

決勝戦は千葉ドリームスターとLIFEGUARD DREAMSの試合。

千葉ドリームスターが序盤6点を奪いリードしたが、LIFEGUARD DREAMSが終盤に猛攻を見せ同点に追いつく。

90分経ったところで試合終了、両チーム引き分けで優勝を分け合った。

結成から3ヶ月で大会優勝を成し遂げたLIFEGUARD DREAMSの中垣大輔(日本ダイバーシティ・スポーツ協会会長)は

「この優勝は私たちにとって非常に意味のある優勝でした。我々は結成3ヶ月で半数以上が野球未経験者です。いろんな選手がいるこのチームで「楽しむこと」に拘り、笑顔を絶やさない。そして選手たち全員達を最後まで試合に出し切って優勝することを目標に挑みました」と充実した表情で語った。

結成3ヶ月で大会優勝を成し遂げたLIFEGUARD DREAMS

4チームにとって今年最初で最後の大会は、大盛況のうちに幕を閉じた。主催した千葉ドリームスターの笹川秀一代表は関係者に感謝の気持ちを表した。

「元々、関東大会が中止になっても『集まれるチームだけでも交流戦をやりましょう』と、各チームから声が上がっていました。この状況下で開催の賛否はあったかもしれませんが、場所さえ確保できればやらない選択肢はなかったですね。集まってくれた各チームの皆さんと、賞品を用意してくれて大会を盛り上げてくれたミニ大さんに感謝です」

そして今大会の旗振り役となったミニ大氏。最後は芸人らしくオチをつけながら振り返った。

「改めて素晴らしい機会に恵まれたなと思います。GMの小笠原さんがバットとボールを提供してくれたり、選手の皆さんはじめみなさんが盛り上げてくれたおかげです。第二回があるなら冠名は『小笠原ミニ大を支えてくれている大人達杯』で(笑)」

プレーしている選手たちは先天性の障害だけではなく、交通事故などで障害を負った後天性の選手も多くいる。

心が塞ぎがちになりながらも希望を取り戻し、白球を追いかける姿は普段見る野球とまた一味違った世界を映し出していた。

今回大会を主催した千葉ドリームスター(チーム提供)

取材協力:日本身体障害者野球連盟、千葉ドリームスター、東京ブルーサンダース、東京ジャイアンツ、LIFEGUARD DREAMS、小笠原ミニ大(浅井企画)※順不同、敬称略

※本記事は2020年12月24日にパラスポーツ専門メディア「Paraphoto」にて掲載されたものです。

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