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身体障害者野球チーム「千葉ドリームスター」関東甲信越大会連覇 決勝で戦った”盟友兼ライバル”絆の物語と光った指揮官の采配

「自分たちの野球ができた」光った小笠原監督の采配

ドリームスターを率いたのは小笠原一彦監督。日本身体障害者野球連盟に加盟前の13年に就任し、現在まで指揮を執っている。

翌年の連盟加盟後から17年の本大会準優勝、昨年の初優勝そして選手権初参加とチームが強くなる過程を肌で感じてきた一人である。

特にこの2年、コロナ禍においても練習を毎週欠かさず継続し、健常者チームとの練習試合を重ねるなど、現有戦力がさらに底上げされた期間でもあった。

「私は指導経験がないので、土屋純一ヘッドが練習メニューや試合の手配などサポートしてくれました。いかに実地訓練を重ねるかにポイントを置いて練習や試合を組んでくれたので、必然的にレベルアップしていったのだと思います」

この試合も好投した山岸が「連戦になるので、2試合とも監督がいいタイミングで代えてくれた」と語るなど、各々のコンディションや試合の状況を的確に見極め、選手たちを送り込んだ。

優勝決定後、監督の胴上げが行われた

この大会を振り返った小笠原監督は「自分たちの野球=『活気ある雰囲気とミスをしない堅実な野球』が出来た事です。力量としては、両チームに追い越せたと思っていないです。ただ、平常心でチャンスを取りこぼさなかったのが、勝利に繋がったと思います」

と語った。選手起用についても当日集まったメンバーの適材適所を事前に見極め、試合を進めていった。

「集まった選手で最高のパフォーマンスを!がモットーですが、今大会は強豪相手ということで厳しい戦いになることが想定されました。山岸、城ともに切替のタイミングを概ね2人とも共有していました」

監督の選手起用が冴え渡った(写真は昨年大会時)

次は11月に神戸で行われる秋の選手権大会。それぞれ、両者は

「ミスをしない確実なプレーを心がけるよう、準備したいです。健常者チームとの試合や練習を通じて繰り返し反復させます。各自の能力は高いので、主将として、結束したチームにしていきたいです」(宮内主将)

「選手権も、集まったメンバーが最高のパフォーマンスを出せるようにしていきたいと思います。皆さんを、”あ!”っと言わせるような楽しい試合をしたいです」(小笠原監督)

と意気込みを語った。昨年は初戦のタイブレークで敗れ、7チーム中5位と悔しい結果に終わった。その雪辱の舞台が早くも訪れようとしている。

(おわり)

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